サラリーマンの方で、副業としてせどりや転売・物販、アフィリエイトといった副業をされている方から、

「せどりやアフィリエイトの経費をたくさん計上して赤字にし、お給料の税金を還付してもらおうと思うのですが……」

といった相談を受けることがあります。

まずそもそも、そのたくさん計上している経費がすべて妥当かどうかにも疑問が残りますが(汗)、そこはひとまず置いておいたとしても、この行為は、実はとても危険な行為です。

ネットビジネスの利益を「事業所得」として申告しておられる場合、事業所得で赤字が出ると、その赤字はその他の所得(例えば給与所得)と相殺することができますので、お給料から天引きされていた税金(納めすぎていた税金)が返ってくるという仕組みです。

いわゆる「損益通算」と呼ばれるものですね。

もちろん、せどりやアフィリエイト等のネットビジネスは立派なビジネスですので、一般的には「事業」と言えるかと思うのですが、だからといって、そこから生じる所得が必ずしも【税法上の事業所得】に該当するかどうかは、また別の問題になります。

以前このメルマガで「ネットビジネスの利益は何所得で申告すべきか?」といったことについて書かせていただいた際には、一般的には「事業所得」か「雑所得」に該当すると説明させていただきましたが、所得税法および所得税法施行令を見てみると、事業所得であるためには、

【対価を得て継続的に行っているかどうか】

が重要なポイントとなることがわかります。

そうすると中には「自分は毎週仕入れや販売(もしくはアフィリエイト活動)をしているし、自分にとっては立派な事業だ!」とおっしゃる方がおられます。

もし、税務調査で税務署とこちら(納税者)の主張が平行線な場合、最終的には裁判をしてどちらが正しいか決めることになるのですが(もちろんそんなことにならないためにも、私達がいるのですが……)、過去の裁判の結果を見てみますと、事業(事業所得)とは、

「事業としての社会的客観性がなければならない」(昭和53年10月31日最高裁判所)

「繰り返し継続して行うという意思と、社会的な立場とが客観的に認められる業務から生ずる所得」(昭和56年4月24日最高裁判所)

という結論が出ています。

いくら「自分にとっては事業だ!」と言い張ったところで【客観性】が認められない場合には、裁判では負けてしまいますし、そうなれば、せどりやアフィリエイトの利益は雑所得ということになり、給与所得と相殺することはできません。

事業所得を赤字にして給与所得と損益通算をすれば、給与の税金を返してもらえるといった情報は、私自身も目にしたことがありますが、これを見ればいかに無責任な情報かがご理解いただけるでしょう。

このお話自体はサラリーマンの方で、副業(ネットビジネス)の所得を赤字にして、給与所得と相殺している方に限ったことですので、ビジネスで利益を出して事業所得と給与所得を相殺させたりしていない方や、専業でネットビジネスをしておられる方にはあまり関係のないことかもしれませんが、今回のものは一例で、実は税金の世界では、こういった「屁理屈を言っているだけで、実際に税務調査が入れば簡単にひっくり返されてしまう怪しい情報」は、ネット上など、いたるところに転がっています。

それらを元に、いい加減な申告をして、逆に余計な出費が増えていては意味がありませんので、これをお読みの方は、そのような情報を鵜呑みにすることなく、情報の出所や情報の出た時期を確認したり、
信頼出来る専門家に尋ねてみるなど、後から大変な目に合うことのないようご注意くださいね。
(2013.9.19)

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