今回は、個人事業主(自営業)の方や法人をされている方に向けて、確定申告をされる領収書の保存方法についてのお話です。

最近では、高速スキャナなども安価で出回っており、様々な書類をデータ化して保存されている方も多いかと思いますが、実は平成27年度の税制改正で、領収書類のスキャナ保存に関する制度が改正されました。

ペーパーレス化が進む世の中にあって、税務に関する証憑類については原則7年間の原本保存が義務付けられています。

一方で、生活ではスキャナやアプリの進化により、書類を電子化することが容易になった今では、税務に必要な領収書等を紙で保管することにストレスを感じる方もおられるようで、特に弊社の場合は、IT系やネットビジネスをされている方が多いこともあってか、

「領収書は何年保管しなければいけないんですか?」

「スキャンしてデータとして残しておくのはダメでしょうか?」

と聞かれることもしばしばです。

実は、領収書のスキャナ保存の制度自体は平成17年よりあり、また今回の改正により、対象となる書類の拡大(例:3万円以上の領収書もスキャナ保存がOK)、電子署名が不要になる、文書の大きさに関する情報が不要になるなどといった要件が緩和され、マスコミなどでは領収書類の保管コスト削減につながると取り上げられたりもしているのですが……、

実はネットビジネスの税金に関する専門家の意見として言わせていただくと、そこには裏があります!

まず条件が非常に厳しく、中小企業や個人事業主が利用するにはあまり現実的ではありません。

事実、このスキャナ保存の制度を利用するためには、事前に申請が必要になるのですが、国税庁発表のデータでは、この制度が始まってから、平成25年度末までの累計承認件数は133件にとどまっています。

実際、全ての領収書をスキャンして保存することができ、そうすれば原本は廃棄しても構わないというのは嘘ではないのですが、いくら要件が緩和されたと言っても、まだまだ中小企業や個人事業主の方々には実用的ではなく、そのもっともたる理由の一つが「タイムスタンプ」でしょう。

タイムスタンプとは、領収書などのPDFデータが確かにその時間に保存されたことを示すためのものです。

ITやネットビジネスをしておられる皆さんなら想像に難くないと思いますが、デジタルデータは比較的容易に内容を改ざんすることができます。

その為、領収書等のスキャナ保存には、「財団法人日本データ通信協会が認定するタイムスタンプ」が必要になります。

このタイムスタンプ、ネットで検索すると扱っている会社がたくさんヒットしますが、結構な費用がかかります。

私も全ての取り扱い会社を調べた訳ではありませんが、もし、「紙で保管するのがジャマだ!」、「原紙を保管する場所がない」といった理由でスキャナ保存をするのであれば、場所と費用で考えると、トランクルームを借りたほうがはるかに安上がりでしょう……。

弊社も、良いものであればどんどんITを活用していきたいと考えていますし(社内のペーパーレス化も進めております)、例えばクラウド会計システムなども導入していますが、領収書のスキャナ保存については中小企業や個人事業主の方々にとっては、まだまだ実用的ではないと考えています。

そもそも弊社のクライアントさんの場合は、領収書は丸投げで、弊社にて記帳や整理をさせて頂いていますので、そこに時間を浪費されることはありませんが、もしマスコミ等で情報をご覧になられて検討しておられた方がいらっしゃいましたら、もう少し吟味されてからでも良いかも知れません。
(2015.7.16)

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