ヤフオク

一昔前は家の不要品を処分したり、近くのフリーマーケットで仕入れたものを転売したりというのが主流でしたが、最近では、リサイクルショップが都心や郊外にも多く出来たり、ネット環境が整ってきたこともあって、国内せどりの他、中国のタオバオやアリババ、また欧米のAmazonやeBay、バイマなどから仕入れたものを、ヤフオクなどで転売されている方が弊社のクライアント様の中にも多くおられます。

ただ、月に一度の無料相談会や、日々のメール相談等でヤフオクに関してよく寄せられるのが、

「不要品を売っただけなんですが税金はかかりますか?」

「転売物販をしていて確定申告をするんですが、何が経費になりますか?」

といったご相談です。

これらについてよく分からず、曖昧なままにしていたら、後に税務署から指摘があり、そこから急いで弊社へ相談に来られる方もたまにおられますが、よく理解せぬまま罰則を与えられていては全く意味がありませんので、今回はヤフオクの確定申告が必要な方と必要ない方の違いや、必要経費として計上できるものについて解説していきます。

 

ヤフオクからの収入について申告が必要な人と必要ない人の違いとは?

まず、ヤフオクで出品していたものが売れた際は、収入が発生するわけですが、それについて、実は税金がかかる人とかからない人がいます。

そもそも日本に居住している個人は、全ての所得に対して「所得税」がかかってきますので、一定額以上の所得を得た場合には確定申告の必要が出てきます。

要らないものを処分しただけでも税金はかかる?

前項で、日本に居住している個人には所得税がかかると書きましたが、これについて実は例外があります。

少し難しい表現になりますけども、「所得税法施行令第25条」には

(譲渡所得について非課税とされる生活用動産の範囲)

第二十五条 所得税法第九条第一項第九号(非課税所得)に規定する政令で定める資産は、生活に通常必要な動産のうち、次に掲げるもの(一個又は一組の価額が三十万円を超えるものに限る。)以外のものとする。

  1. 貴石、半貴石、貴金属、真珠及びこれらの製品、べつこう製品、さんご製品、こはく製品、ぞうげ製品並びに七宝製品
  2. 書画、こつとう及び美術工芸品

(所得税法施行令第25条より)

とあり、簡単に言うと、

通常、生活に必要なものを自分のために購入し、その後、中古品としてリサイクル感覚で出品・販売した場合は非課税になりますが、元々利益を得るために仕入れて販売をしたり、また、個人で所有する範囲を超えて大量に販売した場合には、営利行為とみなして申告が必要になるということです。

また、例え家にあったものを処分したとしても、1個(または一組)が30万円を超える貴金属や美術品を販売した場合は、税金がかかることがあるということです。

ちなみに、営利行為とみなされるかどうかは、例えば税務調査に入られた際、調査官にどう判断されるかになりますので、そこで主張をして納得させられるかどうかについては、一律でみな同じ結果になるわけではなく、そこがそれぞれの税理士の腕の見せ所であり、スキルによって結果が変わってくるのが現実です
(税理士試験は国家資格ですが、その他にも節税対策スキル、税務調査対策スキル、ネットビジネスの知識などは、試験に出るものではありませんので、それぞれの得意分野や違いとして出てくるわけです)。

具体的な対策については後にまとめますが、ネットビジネスの税務調査に関しては、こちらの記事に詳しくまとめてありますので、あわせてご確認下さい。

関連記事>>>「せどりやアフィリエイトなどIT関係の税務調査の全貌を税理士が解説」

営利目的であっても申告が必要ない場合

家にあった不要品を処分したのではなく、営利目的で出品していた場合や、税務署からそうみなされた場合でも、利益から経費を差し引いた所得が一定の金額に達しない場合、確定申告の必要はありません。

これについては、個々の状況によりボーダーが変わってきますので以下に解説していきます。

サラリーマンが副業として出品した場合

通常、会社員などの給与所得者が、給料以外に一年間で20万円を超える所得があった場合、原則として確定申告の必要があります。

ちなみにこれについては注意点が3つあり、

  1. この20万円というボーダーは、誰でもそうなのではなく、1箇所からしか収入を得ていない人(例えば1社からしか給料をもらっておらず、年末調整のみで納税が完了する人)の特例であるということ。
  2. 住宅ローン控除や医療費控除などの還付を受けられる方は、例え年間の所得が20万円以下であっても確定申告が必要であるということ。
  3. 20万円というのはヤフオクからの所得だけではなく、給与所得と退職所得以外の所得の合計であるということ。例えばヤフオク以外の副業での報酬や、FXなどの投資からの利益がある場合は、それら全てを合計して判断する必要があるということ。

です。なので一律で「20万円未満だから必要ないですよね?」とおっしゃる方がおられますが、それは間違いですのでご注意下さい。

主婦や学生の他、個人事業として出品した場合

一方で、主婦や学生などで、パートやアルバイトをしておらず、他に収入のない方や、個人事業として、営利目的でヤフオクを使って転売や物販をされている方、要するに給与所得者ではない方の場合は、年間所得が38万円を超えると、原則として確定申告を行う必要が出てきます。

この38万円というのも、前項の注意点の3.と同じく、ヤフオク以外からの収入がある場合は、全てを合計した金額になりますのでご注意下さい。

税金は収入にかかるのではなく所得にかかる

次に、経費についてですが、先程「利益から経費を差し引いた所得が一定の金額に達しない場合、確定申告の必要はありません。」と書きましたけれど、よく「税金のことは全く分からなくて……」とおっしゃる方で、たまに誤解されている方がおられますが、税金というのは利益や収入にかかるものではなく、「所得」にかかるものです(だから「所得税」と呼ぶわけですね)。

なのでこの違いをまず大前提として知っておく必要があるわけですが、簡単に言えば

利益 − 経費 = 所得

となりますので、経費を多く計上した方が、税金がかかってくる額の割合を減らすことが出来ることから、

「どんなものが経費となりますか?」

という質問に繋がるわけです。

では、どんなものが経費になるかについてですが、「所得税法第37条第1項」にはこうあります。

総収入金額に係る売上原価その他当該総収入金額を得るため直接に要した費用の額及びその年における販売費、一般管理費その他これらの所得を生ずべき業務について生じた費用

(所得税法第37条第1項より一部抜粋)

つまり、税法上は、経費として認められるものとして、こういうものがありますよと具体的に書かれているのではなく、例えば要約すると、

ヤフオクを使った物販を行う上で、直接関連のある費用については経費として認められますよ

ということになります。非常にざっくりとした表現ですよね……。

つまり、ざっくりとした表現であるからこそ、税務署から指摘を受けやすいところであり、税務調査が入った時には、先程も関連リンクでご紹介しましたが、どういった対応が出来るかで、経費になるかならないかが変わってくる部分になるわけです。

ちなみに法人の場合は「法人税」になるわけですが、法人税法第22条3項によると、

内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上当該事業年度の損金の額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、次に掲げる額とする。
一 当該事業年度の収益に係る売上原価、完成工事原価その他これらに準ずる原価の額
二 前号に掲げるもののほか、当該事業年度の販売費、一般管理費、その他の費用(償却費以外の費用で当該事業年度終了の日までに債務の確定しないものを除く。)の額
三 当該事業年度の損失の額で資本等取引以外の取引に係るもの
(法人税法第22条3項より一部抜粋)

と記載されており、事業として営利目的で行われている方は、法人化して対策することで、より節税の方法が増えると言えるでしょう。

ヤフオクで具体的に必要経費となるものは?

さて、再び個人の申告に話を戻しますが、ヤフオクでの販売で、具体的な必要経費について主立ったものとしては、

「収益を上げるために要した原価、販売費、一般管理費、その他の費用」

があげられます。これらについて順に解説していきましょう。

原価は経費になるがその期間には注意が必要!

営利目的としてヤフオクで出品・販売した場合、その商品を購入した代金というのは「仕入高」となり経費として計上できます。

但し、ここで注意が必要なのが、確定申告の時に、1月1日〜12月31日の間に購入した全ての仕入れ代金を経費として計上し、売上から差し引くのは間違いで、税務署から指摘されてしまいます。

その年に差し引けるのは、全ての仕入れ代金ではなく、その年に売れた商品に対する仕入れ代金のみで、ここは税務署もよく突いてくるポイントになりますので、必ず間違えないようにして下さい。

例をあげると、200個仕入れた商品の内、100個しか売れなかった場合は、売れた100個分の仕入れ代金は経費として計上できますが、売れ残った100個の仕入れ代金については棚卸しをして、計上しないように注意して下さい。

販売管理費やその他の経費の計上の仕方について

ヤフオクでの販売管理費や、その他の経費で、一般的に考えられるものをあげると

  1. パソコンやスマホの通信費用
  2. 電気代などの光熱費
  3. 車やバイクのガソリン代(商品の仕入れで使っている方など)
  4. 振り込み手数料
  5. 販売手数料
  6. 商品買い付け時の交通費
  7. 梱包資材代
  8. 送料
  9. 関連書籍やセミナー代などの勉強費用

こういったものが考えられるでしょう。

但し、商品を発送するための送料や梱包資材代などは全額を経費にできる場合が多くありますが、1〜3までの通信費や光熱費、ガソリン代などについては、日常生活ででも利用しているものとみなされ、ヤフオクでの収益を上げるために使った割合を計算して、その分だけを計上することになります(全てを経費として計上すると、ほぼほぼ指摘を受けると言って良いでしょう)。

ヤフオクの経費についてまとめ

ここまで主に個人におけるヤフオクの経費についてご紹介してきましたが、実際にネットビジネスの申告や、税務調査の現場に多数立ち合わせて頂いている経験から申しますと、この「経費」というのは非常に税務調査官から指摘されやすい部分です。

その時に、どれだけその方の資産をお守りできるかが税理士のスキルの違いになるわけですが、ちなみに税務署から指摘をされたり、調査が入ってから対策を講じても、出来ることは限られていますので、弊社のクライアント様の場合は、日頃の税務処理の段階で、税務調査を見越した処理をしていますので、不要な調査にも入られにくくなりますし、万が一、入られて否認された時にも、しっかりと対応をして追徴されないようお守りしています。

ただ、このブログをご覧の方の中には、個人で申告される方もおられるかと思いますので、完全な対策はできないとしても、気を付けておくべきポイントをご紹介すると、一言で言うと

「根拠となる資料を準備しておく」

これに尽きます。具体的には

  • 銀行口座やクレジットカードなどは、日常生活用とヤフオク用(事業用)で分けておく
  • ヤフオクの明細や、送料や梱包資材を買った領収書などは確実に保管し、またセミナー等に参加した場合は、その内容のわかるテキストなどと一緒に、その領収書などにも「誰とどういう目的で何に使ったのか」などを余白に記載して忘れないようにしておく
  • 通信費や光熱費など、日常生活でも使う可能性のあるものの割合を求めて経費を計上する際には、「使用頻度」、「使用距離」、「使用面積」、「使用時間」など、客観的な数字を元に計算する

これらの事を事前に行っておき、いざという時にはこの資料を元に説明するだけでも、かなり効果的でしょう。

その他、開業前の費用や、家賃を経費として計上する場合の注意点、また法人化して更に節税をする方法にいついては、以下にまとめてありますのでご参照下さい。

関連記事>>>『ネットビジネスで計上できる必要経費と注意点を税理士が解説!』

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