フリーランスの税金

会社員から独立をしてフリーランスになると、自分の本来の業務以外にも、営業や経理業務など、やらなければならないことがたくさん出てきます。

税金に関しても、ご自身でされる場合は所得税などの税金を自分で計算して、確定申告や納税をしなければなりませんが、毎月行わせて頂いている無料相談会や、メールやお電話でのお問い合わせでも、フリーランスの方から特に

「確定申告のやり方が良く分からないんですが……」

「源泉徴収ってどうすれば良いんでしょう?」

というお問い合わせを多く頂きます。

確定申告や所得税については、以下の記事にまとめてありますのでそちらをご参照いただければと思うのですが、

【関連記事】
・フリーランスの所得税の計算方法を税理士がわかりやすく解説!

ちなみに家族に給与を支払っている場合や、他のフリーランスに外注に出してその手数料を支払っている場合などには、源泉徴収という制度が関係してきます。

元々サラリーマンだった方にはあまり馴染みがないかと思いますので、今回はフリーランスの方の税金と源泉徴収について、最低限理解しておくべきポイントについて解説していきましょう。

 

そもそも源泉徴収制度とは?

税金は、本来その収入を得た人が申告・納税を行うものですが、給与や報酬を支払う場合には、その給与や報酬の支払者が、予め給与や報酬から所得税を天引きして支払い、その天引きした所得税を支払者が給与や報酬の支払いを受ける者に代わって納付しなければなりません。

この仕組を「源泉徴収制度」と言います。

源泉徴収をしなければならない者は?

では、どういった場合に源泉徴収をしなければならないのでしょうか。

源泉徴収をしなければならない者のことを「源泉徴収義務者」といい、どのような人が源泉徴収義務者になるのかは、所得税法の第6条で定められています。

(源泉徴収義務者)
第六条 第二十八条第一項(給与所得)に規定する給与等の支払をする者その他第四編第一章から第六章まで(源泉徴収)に規定する支払をする者は、この法律により、その支払に係る金額につき源泉徴収をする義務がある。

法律の条文ですのでものすごく固い表現がされていますし、この第二十八条第一項や第四編第一章から第六章までをすべてチェックしようと思うとものすごく大変な上、正直、フリーランスの方には関係のないようなものまで含まれています。

そのため、フリーランスの方であれば、一般的には

  • 人を雇って(家族を含む)給与を支払った場合
  • 外注を頼んで報酬を支払った場合

これらの場合には、源泉徴収が必要になると考えておけばよいでしょう。

源泉徴収の対象となる報酬とは?

報酬の中には、実は「源泉徴収をしなければならない報酬」と「源泉徴収をしなくてよい報酬」があります。

源泉徴収をしなければならない報酬は「所得税法第204条」で次のように定められています。

一 .原稿、さし絵、作曲、レコード吹込み又はデザインの報酬、放送謝金、著作権(著作隣接権を含む。)又は工業所有権の使用料及び講演料並びにこれらに類するもので政令で定める報酬又は料金

二 .弁護士(外国法事務弁護士を含む。)、司法書士、土地家屋調査士、公認会計士、税理士、社会保険労務士、弁理士、海事代理士、測量士、建築士、不動産鑑定士、技術士その他これらに類する者で政令で定めるものの業務に関する報酬又は料金

三 .社会保険診療報酬支払基金法 (昭和二十三年法律第百二十九号)の規定により支払われる診療報酬

四 .職業野球の選手、職業拳闘家、競馬の騎手、モデル、外交員、集金人、電力量計の検針人その他これらに類する者で政令で定めるものの業務に関する報酬又は料金

五 .映画、演劇その他政令で定める芸能又はラジオ放送若しくはテレビジョン放送に係る出演若しくは演出(指揮、監督その他政令で定めるものを含む。)又は企画の報酬又は料金その他政令で定める芸能人の役務の提供を内容とする事業に係る当該役務の提供に関する報酬又は料金(これらのうち不特定多数の者から受けるものを除く。)

六 .キャバレー、ナイトクラブ、バーその他これらに類する施設でフロアにおいて客にダンスをさせ又は客に接待をして遊興若しくは飲食をさせるものにおいて客に侍してその接待をすることを業務とするホステスその他の者(以下この条において「ホステス等」という。)のその業務に関する報酬又は料金

七 .役務の提供を約することにより一時に取得する契約金で政令で定めるもの

八 .広告宣伝のための賞金又は馬主が受ける競馬の賞金で政令で定めるもの

源泉徴収が必要な報酬かどうかは、上記の定められた内容に該当するかどうかで決まりますので、まずは支払う報酬の内容が上記に該当するかどうかを、正しく判断することが重要です。

ただ、これらはかなり細かく定められている上、「政令で定めるもの」という表現が多く、関係する所得税法基本通達まですべてを理解するのは非常に大変です。

もし自分が支払う報酬がこれらに該当すると明確に自信が持てない場合には、弊社に限らず、最寄りの税務署や専門家に相談してみるのも良いでしょう。

源泉徴収税額の計算の仕方について

それでは実際に、源泉徴収税額の計算のやり方について解説していきましょう。

給与を支払った場合は?

給与を支払った場合には、その給与等の金額に応じて源泉徴収税額表より源泉徴収税額を確認し、支払う給与から差し引くことになります。

▼国税庁ホームページ「平成29年分 源泉徴収税額表」
https://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/gensen/zeigakuhyo2016/01.htm

報酬を支払った場合は?

報酬を支払った場合には、上記の「源泉徴収の対象となる報酬とは」で記載した報酬の内容により、源泉徴収税額の計算が異なりますので、ここでは、フリーランスの方が外注で利用することの多いであろう、「一 原稿料、デザイン料、講演料など」について見てみましょう。

源泉徴収が必要な報酬の金額が100万円以下の場合、その10.21%が源泉徴収税額となり、報酬の金額が100万円を超えた部分については、その20.42%が源泉徴収税額となります。

例えば、報酬50万円のお仕事の場合には、

50万×10.21%=51,050円

が差し引くべき源泉徴収税額となり、報酬が150万円だった場合は、

100万×10.21%+50万×20.42%=204,200円

が差し引くべき源泉徴収税額となります。

これらを参考に、ご自身の額に合わせて計算してみて下さい。

源泉徴収した税金の納め方と納付の期日について

源泉徴収をした税金は、税務署でもらえる「所得税額徴収高計算書」(一般的には「源泉の納付書」と呼ばれたりします)という用紙に必要事項を記入し、銀行や郵便局の窓口などで納めることになります。

この所得税額徴収高計算書には、給与などから徴収した源泉税の納付に使う「給与所得・退職所得等の所得税額徴収高計算書」と、原稿料・デザイン料などから徴収した源泉税の納付に使う「報酬・料金等の所得税額徴収高計算書」があります。

以下に画像を貼り付けておきますので、使用の際は間違わないよう注意してくださいね。

▼給与所得・退職所得等の所得税額徴収高計算書

▼報酬・料金等の所得税額徴収高計算書

ちなみに、納付の期日は給与や報酬を支払った翌月の10日となります。

※「給与所得・退職所得等の所得税額徴収高計算書」を使って納める源泉税の場合、一定の条件を満たしていれば「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を提出することにより、納付の期日を年2回にすることができます。

まとめ

「自分の税金のことでも手が回らないのに、給与や報酬を支払う相手の税金まで計算して徴収・納付をしないといけないなんて…」と面倒に感じた方もおられるかも知れません。慣れないうちは仕方のないことでしょう。

しかし、もし源泉徴収をし忘れて源泉税を納付しなかった場合、源泉徴収義務者である給与や報酬の支払者がペナルティーを受けることになります。

また、仕事の内容によっては、逆にフリーランスとして自分が受け取った報酬から源泉税が徴収されている場合もあり、そういった場合には確定申告の際に源泉徴収されている金額を申告しなければ、自分が損をしてしまうこともあり得ます。

そう考えると、条件に該当されるフリーランスにとって源泉徴収制度というのは、避けて通れないものですので、最低限のポイントだけは、押さえておくようにしましょう。

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