関税

これをお読みの方で、AmazonのFBAやYahoo!オークション、メルカリなどを使って、せどりや転売ビジネスを展開されている方も多いと思いますが、中には、中国のアリババやタオバオ、また欧米のAmazonやeBay、BUYMAなどを使って、海外から商品を輸入し転売する「輸入転売」をされている方もいらっしゃるでしょう。

実際、弊社のクライアント様の中にもたくさんおられます。

ただ、海外から仕入れをしている場合、国内仕入れのみを使ってせどりや物販をしているのには関係のない税金が絡んできます。

それは「関税」ですが、確定申告が近づいてくると、毎月の無料相談会やメールの質問でもよく聞かれます。

輸入ビジネスを展開している方にとって、関税を避けて通ることはできませんし、間違った内容で申告してしまうと、後に税務署から指摘をされ、ペナルティを払わされることにもなりかねませんので、今回はそんなことにならないよう、関税について基本的な内容と、会計処理の方法までを解説してみたいと思います。

 

税関?関税?…それぞれどういったものなの?

貿易や輸出入を専門に行なっている大企業では、通関手続きや関税の知識を持った専門家がいて、しっかりと手続きがなされているかと思いますが、実際に無料相談会などでお話を伺っていますと、個人事業で輸入転売をしている場合や、そういった方が法人成りした小規模な会社の場合には、関税に関する知識などが曖昧なまま、手続きが行われているケースが結構あります。

ただ、輸入転売をしていると、「税関」や「関税」といった言葉は聞いたことがあるでしょう。

「税関」と「関税」、文字だけを見ると間違い易いですが、意味合いの違うものであり、外国から貨物を輸入される際に、その貨物が日本に入ってもいいものなのかどうかをチェックするシステムがあるわけですが、このチェックを担当する関所のようなところがまず「税関」です。

そして、この税関を通過するための手続きのことを「通関」と言います。

この通関手続きには2つの主な目的があり、1つが前述の貨物のチェック、もう1つが輸入税を徴収することで、この輸入税の一つが「関税」という税金だというわけです。

関税の目的とは?

関税とは、外国から輸入される製品に税を課し、日本の製品と同等の価格にすることで、国内で平等な競争をしてもらい、日本の産業を守るということが主な目的の税金です(もちろん財源としても重要になります)。

また、関税も税金なので、その賦課や徴収については関税法という法律でしっかりと定められていて、その賦課・徴収については原則的に、申告納税(自分で申告をして、自分で納付する)を中心に定められています。

また、申告納税のため、税関は通関後に申告が適正に行われているかどうかのチェックを行っており、必要があれば事後調査も行われます。

この調査では、税関職員が輸入関連の書類を確認し、申告価格と仕入価格が適正かどうかや、課税価格に加えるべき金額をしっかりと加算しているかどうかといったことが調べられ、申告漏れがあった場合には、他の税金と同様に、過少申告加算税や無申告加算税、重加算税といった正しい申告をしていれば、本来支払う必要のないペナルティとしての税金も納めなければならないことになります。

指摘をされた段階で「通関手続きに関する細かい規定なんて知りませんでした。」といった言い訳はもちろん通用しませんし、調査の拒否や偽りの証言をすれば、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処するといった罰則規定もあります(関税法第114の2条)ので、輸入転売ビジネスをされる際は、事前に必ず把握しておくようにしましょう。

関税を納める人とは?(納税義務者)

このように、海外から輸入した貨物には関税という税金が課されるわけですが、この関税は一体誰が納税することになっているのでしょうか?

関税を納める義務がある者(納税義務者)は、「貨物を輸入する者=荷受人」と定められています。

関税は、この法律又は関税定率法その他関税に関する法律に別段の規定がある場合を除く外、貨物を輸入する者が、これを納める義務がある。
【関税法第6条より】

ここで言う貨物を輸入する者とは、原則として仕入書(インボイス)に記載されている荷受人となり、仕入書がない場合には、船荷証券又は航空運送状等に記載されている荷受人となります。

つまり、輸入転売を目的として海外から商品を仕入れた場合には、関税を納めなければならないということになります。

※ただし、関税法ではいくつかの例外が定められていますが、ややこしくなりますので今回はあえて割愛させていただきます。

関税を納めた場合の会計処理について

輸入転売を行うために、海外から商品を仕入れた時には、関税を納めなければならないということを、まずはお分かり頂けたかと思いますが、ではその際、どのように会計処理を行えばよいのでしょうか。

関税という税金なので「租税公課」で処理をすればいいのでは?と思った方もおられるかもしれません(実際にそういったご質問をいただいたこともあります)。

税金と名の付くものは租税公課と考えがちな気持ちはわからないでもないですが、租税公課で処理をすると、その全額が今年(当期)の経費になってしまいます。

関税は商品の取得価額を構成するものですので、「仕入高」として処理をし、その商品が期末に在庫として残っている場合には、棚卸しをして経費から差し引かなければなりません。

つまり、うっかり関税の全額を今年(当期)の経費として処理をしてしまうと、結果的に正しい所得にならず税務調査などで指摘を受けることも考えられますので、専門用語等で分かりづらい場合は、曖昧なままにしておかずに、弊社に限らず専門家にお問い合わせ下さい。

まとめ

今回、輸入転売をする上で避けては通れない「関税」について、基本的なことを解説してきましたが、その概要はお分かり頂けましたでしょうか。

普段あまり触れることがない税金だけに、余計に複雑に感じられる方も多いかもしれませんが、関税も他の税金同様、しっかりと法律を守り正しい申告・納税をしていれば何も怖がることはありません。

面倒だと適当に考え、後から大変な目にあうことのないよう、輸入転売をしている方は、日頃から関税についても意識しておきましょう。

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