PayPalのレート換算

輸出入の転売物販や、情報販売などのネットビジネスで、海外取り引きをされている方から

「海外口座やPaypalなどに円以外の通貨で入金があった場合、日本へ送金をしていなければ税金はかからないですか?」

といった質問を、毎月の無料相談会やメールの無料相談等で聞かれることがあります。

例えば消費者としてPayPalを利用する際、商品やサービスを購入する時の円へのレート換算(為替手数料)を安くすることを考える方は多いですが、逆に自分が販売者側で、入金される立場の時に、どの段階で税金がかかるのかをよく理解せぬまま確定申告をしてしまい(もしくは申告しないことで)、後から税務署に指摘をされ、ペナルティーの税金(罰金)を払わされることになっていては、いくら円換算時のレートを気にしていても意味がありません。

そこで今回は、PayPal等を使った海外取り引き時のレート換算について、どの段階で申告が必要になってくるのかなど、基本的なポイントから順に解説していきたいと思います。

 

消費者がPayPalのレート(為替手数料)を安く節約するには?

まず、あなたが消費者の時に、PayPalの為替手数料を節約するやり方についてですが、デフォルトの状態ですと、円換算する際にPayPalの為替手数料が適用されていますので、4%(往復で8%)ほどかかってしまいます。

それを節約する方法として一般的なのが、PayPalが定める為替手数料ではなく、クレジットカード会社が設定している為替手数料を適用することで、片道1〜2%ほどに節約することが可能です。

クレジットカードの為替手数料を適用する方法

では具体的なやり方についてですが、例えばネットショップ等で商品を購入する際、

  1. 支払い方法でPayPalを選びます。
  2. PayPalの画面になったら、「¥1 JPY = $○○○ USD」の部分、もしくは「その他の通貨換算オプション」のどちらかをクリックします(画面により、どちらかのリンクが繋がっていると思いますので、それをクリックします)
  3. デフォルトでは、「PayPalの通貨換算レート」が選択されていますので、下にある「カード発行会社の通貨換算レート」、もしくは「売り手の請求書に記載されている通貨で支払う」にチェックを入れ「同意する」、または「送信」をクリックします。

これで次回からもクレジットカード会社の為替手数料で購入することが可能でしょう。

消費者の場合は、後日カード会社から引き落とされて取り引きが完了します。

一方で販売者側の場合は、税金を申告する必要が出てくるわけですが、果たしてどの段階で申告が必要になってくるのでしょうか。

販売者側はどの段階で確定申告が必要?

冒頭の質問で、

「円換算して日本に送金していなければ税金はかからないですか?」

という問い合わせをご紹介しましたが、結論から申しますと、例え日本へ送金をしていなくても、売上が発生しているようであれば、確定申告が必要になるケースがあります。

居住者と非居住者の違いについて

最近ではネットを使った物販なども非常にやりやすくなり、弊社のクライアント様の中にも、輸入転売等をされている方がたくさんおられますが、日本の所得税法では、個人を「居住者」と「非居住者」に分けて納税義務を定めており、居住者に該当する場合には、所得が生じた場所が日本国内外を問わず、すべての所得に対して確定申告をしなければなりません。

居住者と非居住者の条件とは?

この居住者と非居住者の区別については、「居住者」とは、国内に「住所」を有し、又は、現在まで引き続き1年以上「居所」を有する個人のことで、「非居住者」とは「居住者」以外の個人とされ、居住者・非居住者の判定は書類などの表面上だけではなく、深く生活実態なども考慮の上判断されることになります。

なので、一般的に日本にずっと住んでいるといったような方であれば、ほとんどの方は海外のサービスを利用して得た利益であっても、日本への申告が必要ということになります。

レート換算(円換算)のやり方について

それでは、確定申告を見越したレート換算のやり方についてですが、Paypalやクレジットカードなどで換算レートが示されているものは、そのレートを利用して換算すれば良いでしょう。

それ以外の場合には、自分で為替レートを調べて円換算をしなければなりません。

ただし、レートが違うことによって売上金額などが大幅に変わることがある場合、税務調査でも為替レートが問題になることがあります。

その場合の対処法として、銀行のホームページなどでも過去の為替レートが公開されていますので、信用のおけるホームページなどで為替レートを調べるようにしましょう。

また、税務署から指摘された際には、あなたの主張を認めさせるために、その根拠資料を示す必要があるわけですが、上記のページなどは時間が経つと見られなくなる可能性がありますので、後々でも根拠が示せるよう、必ずプリントアウトをして保管しておくか、PDF等にして保存しておかれることをお勧めします。

円換算のタイミングについて

レート換算のやり方と同時に、どのタイミングのレートで円換算をすれば良いのかということについても、よく質問を受けます。

その際に皆さんがよくおっしゃるタイミングとして、

  • 取引を行ったときのレート
  • 年末のレートで一括換算をする

などがあげられます。

実は円換算をする時期については、「所得税法基本通達」の中で定められていて、通達には、

 法第57条の3第1項((外貨建取引の換算))の規定に基づく円換算(同条第2項の規定の適用を受ける場合の円換算を除く。)は、その取引を計上すべき日(以下この項において「取引日」という。)における対顧客直物電信売相場(以下57の3-7までにおいて「電信売相場」という。)と対顧客直物電信買相場(以下57の3-7までにおいて「電信買相場」という。)の仲値(以下57の3-7までにおいて「電信売買相場の仲値」という。)による。
【所得税法基本通達57の3-2】

と記載されています。

結論を簡単に言えば、原則としては取引を行った日のレートで換算をすれば良いということです。

ただ、円以外での通貨の取引量が多い場合には、日々のレートを調べ、毎日円に換算して記帳していくというのは大変なので、あまり現実的ではないといった方もおられるかもしれません。

弊社のクライアント様の場合は、税務調査で指摘を受けないよう(もしくは指摘を受けたとしても問題のないよう)、弊社が代わって日々のレートをチェックし、税務上問題のないタイミングで円換算や、節税対策をさせていただいておりますので、ご自身で何か作業をしていただく必要はありませんが、

ご自身でされる場合には、実際、違うレートで円換算をすると、金額にかなりの差が出てしまうケースもあるかと思いますので、なるべく通達に近い形で、出来れば日々行われることをお勧めします。

まとめ

円換算の作業自体は、レートさえわかってしまえば、それほど難しいものではないかと思いますが、ご自身でされる場合は、量によっては大変で面倒な作業になってくるかも知れません。

ただ、税務署にとっては指摘をして追徴しやすいポイントでもありますので、申告書の内容に不備や疑問点があった場合には、後からお尋ねを出したり、税務調査が行われることになります。

むこうも徴収のプロですので、具体的な対処法については、そのケースによってまちまちですので一概には言えませんけども、ご自身で対応される場合は、少なくともレート換算時の、換算根拠となった資料を残して保存しておき、どのように円に換算したのかをしっかりと説明できるようにしておくことが重要だと言えるでしょう。

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