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Amazon転売の開業届

国内や海外から商品を仕入れて、AmazonのFBAやe託を使って販売する、いわゆる「Amazon転売」を行っている方が多くおられ、ネットビジネス専門の会計会社(税理士事務所)である弊社へも、全国の方から日々ご相談が寄せられますが、確定申告や法人化の他に、

「Amazon転売を始めたんですが開業届は出す必要がありますか?」

といった質問も寄せられます。

そこで今回は、開業届の出し方やメリットとデメリット、またかかる費用や実際の開業届を使った記入方法などについて具体的に解説していきます。

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開業届とはどういうもの?提出のタイミングやメリットは?

開業届は、正式名称を「個人事業の開業・廃業等届出書」といい、個人で事業を始める際に税務署へ届け出るための書類です。

事業を開始してから原則1か月以内に提出することが求められており、税法上は「所得税法第229条」でその義務が以下のように定められています。

居住者又は非居住者は、国内において新たに不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき事業を開始し、又は当該事業に係る事務所、事業所その他これらに準ずるものを設け、若しくはこれらを移転し若しくは廃止した場合には、財務省令で定めるところにより、その旨その他必要な事項を記載した届出書を、その事実があつた日から1月以内に、税務署長に提出しなければならない。

引用元:所得税法 第229条 開業等の届出

開業届を提出すべき人とは?

開業届というと、「会社を辞めて独立した人だけが提出するもの」というイメージを持つ方もおられますが、実際にはそれだけではなく、例えば会社員で給与を得ながら、副業として事業を行い事業所得を得る場合にも提出が必要になります。

つまり、事業として収益を得る意思があり、継続性がある活動であれば、副業であっても届出対象となります。

開業届を出すことで得られる主なメリットは?

開業届を提出することで、税務上の優遇を受けられます。

代表的なものとして、青色申告の承認申請書を併せて提出することができ、青色申告を選択し、帳簿付けや申告方法で一定の条件を満たすことで、最大65万円の青色申告特別控除を受けることができますので節税に繋がります。

Amazon転売で開業届を出すメリットとは?

Amazon転売を個人で行う場合、前章でもお伝えした通り、開業届を提出することで得られるメリットがいくつかありますので、どのような利点があるのか具体的に解説していきます。

青色申告による税務上の優遇を活用できる

Amazon転売で開業届を提出する際、同時に「青色申告承認申請書」も提出できます。

これにより、税金面で以下のような有利な制度を利用できるようになります。

  • 青色申告特別控除:複式簿記で帳簿をつけるなど一定の要件を満たすことで、最大65万円まで所得から控除できます(簡易簿記であっても10万円の控除が適用されます)。
  • 赤字の繰越が可能:年度内で利益が出ず赤字となっても、その損失分を最大3年間繰り越し、翌年以降の利益と相殺することができます。
  • 家族への給与を経費化できる:青色事業専従者給与を利用すれば、家族に支払う給与を経費として計上できます。

信用力が高まる

開業届の提出は、税務署に対して「事業を正式に開始した」ことを明らかにする手続きになりますので、社会的な評価につながり、以下のような場面で信頼性が向上する可能性があります。

オフィス・倉庫の賃貸審査で有利になる?

Amazon転売を継続して行う場合、在庫保管用の倉庫や作業スペースを借りられる方も多いかと思いますが、その際に、開業届を提出していることで事業実態が証明され、審査が通りやすくなることが考えられます。

融資・補助金・助成金の申請が通りやすくなる?

銀行や日本政策金融公庫の融資、また補助金・助成金の申請には、事業を行っていることを証明として開業届の控えを求められることがあります。

その際に提出することで、資金調達の審査をスムーズに進められる可能性が高まるでしょう。

屋号付き口座を開設できるようになる

開業届を提出することで、屋号が入った銀行口座を作成することが出来ます。

これにより、請求書の送付や入金管理の際に屋号が表示されることで、より事業としての信頼性が強まり、取引先にもわかりやすくなるでしょう。

また税務上、注意すべきポイントとして、個人でビジネスを行う場合、事業用と私用の口座を分けておかないと税務調査の時にすべての取引履歴の提出を求められることがありますので、透明性を確保し、税務署に疑念を与えないためにも、屋号の有無にかかわらず、事業用とプライベート用の口座は必ず分けておきましょう。

尚、銀行によっては口座開設の際に開業届の控えを求められることもあるため、大切に保管しておきましょう。

クレジットカードの審査で職業証明として使える

Amazon転売では資金効率を上げるために、仕入れや広告費の決済でクレジットカードを使われる方も多いかと思いますが、個人事業主には会社員のような在職証明書がありませんので、その代わりに職業証明として開業届を提出することにより、審査に通りやすくなることも考えられるでしょう。

また、銀行口座と同じく税務署から不要な指摘を受けないためにも、クレジットカードも事業用と私用は必ず分けておくことが重要です。

開業届を出さなかった場合のデメリットは?

もしAmazon転売で開業届を提出しなかったとしても、提出した際に得られるメリットが受けられないだけで、特に罰則はありません。

Amazon転売で開業届を提出する際の注意点とは?

Amazon転売で開業届を出すことで、社会保険・失業手当・扶養条件などにも影響を与える可能性があります。

ここでは、個人事業主としてAmazon転売で開業届を出す際に注意すべきポイントについて解説します。

開業届を提出すると失業手当は継続して受給できない?

開業届を税務署に出した時点で、行政上は「求職中ではなく、事業を開始した」と判断されます。

そのため、会社を辞めてAmazon転売で独立するケースなどでは、失業手当(失業保険)の支給対象から外れることになりますので、独立するタイミングと受給期間の兼ね合い等を考えた上で検討しましょう。

開業届を提出すると扶養から外れる場合もある?

配偶者の扶養に入っている方がAmazon転売を始める場合、社会保険の扶養基準に影響が出る可能性があります。

加入している健康保険組合によって判断基準は異なりますが、一般的には次の二つのパターンがあります。

  1. 年間収入が一定ラインを超えなければ、個人事業主でも扶養のまま継続できる
  2. 事業を始めた段階で、収入に関係なく扶養から外れる

扶養に入っている間は自分で健康保険料を支払う必要はありませんが、後者の場合は開業届の提出だけで扶養対象外となり、自身で保険料を納める必要が出てきます。

開業届を提出する際に必要となる費用はいくら?

税務署へ開業届を提出すること自体は、特別な費用はかかりません。

ただし、手続きに付随して発生する可能性のある関連コストについては以下の通りです。

書類作成や提出手続きを専門家へ依頼する場合の料金は?

開業届は自身で記入して税務署に提出すれば、無料で完了します。

ただ、初めての事業開始で不安がありミスなく手続きを済ませたい、といった理由から税理士・行政書士などの専門家へ代行を依頼するケースもあります。

この場合の報酬額は事務所によって異なりますが、一般的には数千円〜数万円程度が相場となるでしょう。

尚、弊社の申告代行サービスへお申し込みの方は、これらの書類は弊社が無料で作成致します。

事業用印鑑の作成にかかる費用は?

個人事業を開始するにあたって、事業で使う印鑑を新しく作成される方も多いでしょう。

印鑑登録自体には費用がかかりませんが、印鑑の制作費用はその材質やデザイン等によって異なります。

相場としては、一般的な印鑑であれば数千円〜数万円のものが多い印象です。

Amazon転売で開業届を提出する際に必要な書類について

Amazon転売で開業届を出す際に必要になる書類は以下になります。

個人事業の開業・廃業等届出書

一般的に「開業届」と呼ばれる書類です。

国税庁の公式ページからPDFをダウンロードできるほか、最寄りの税務署窓口でも受け取ることができます。

青色申告承認申請書

青色申告を利用したい場合は、開業届と一緒にこの申請書も提出しましょう。

こちらも国税庁サイトからダウンロード可能です。

本人確認書類

提出時には本人確認が出来るものも必須になります。

マイナンバーカード、運転免許証、またはパスポートなど、有効期限内の身分証明書を用意しておきましょう。

Amazon転売での開業届の具体的な書き方とポイントについて

Amazon転売を事業として始める際の「個人事業の開業・廃業等届出書(開業届)」について、実際の書類を使った記入例と要点について解説します(画像の番号は以下の項とリンクします)。

開業届

1. 提出先と日付を記入

まず1の欄には、管轄の税務署名と提出日を書き入れます。

▼担当税務署は国税庁のサイトで検索可能です。

提出日は、窓口へ出向く日や郵送で送る日をそのまま記載します(原則、開業日から1か月以内の提出を求められています)。

2. 納税地の選択と住所を記入

「納税地」欄では次の3つから該当する区分を選び、住所と電話番号を記入します。

  • 住所地:普段生活している自宅の住所
  • 居所地:相当期間継続して居住しているものの、その場所との結びつきが住所ほど密接でないもの、すなわち、そこがその者の生活の本拠であるというまでには至らない場所をいうものとされています。
  • 事業所等:店舗や事務所など、事業を行う場所

3. 氏名・生年月日・個人番号を記入

名前(フリガナ含む)、生年月日、そして個人番号(マイナンバー)を記入します。

こちらの欄に押印は必要ありません。

4. 職業欄の記入

Amazon転売の場合、「小売販売業」や「ネット販売業」など、事業内容が理解しやすい表現で記載します。

明確な決まりはありませんが、第三者が読んでもイメージしやすい言い方が望ましいでしょう。

5. 屋号を記入する

屋号はあなたのビジネス名(ブランド名)として扱われます。

事業内容や今後の展開などを元に決めるのが一般的です。

6. 届出区分のチェック

ここでは「開業」にチェックします。

7. 所得の種類

Amazon転売は「事業所得」に分類されます。

8. 開業日の記入

事業を実際にスタートした日を記載します。

いつをスタートとするか特に明確な決まりはなく、「仕入れを初めて行った日」「準備作業を開始した日」などが多い印象ですが、制度上は、開業から1か月以内の提出が求めれています。

9. 関連届出書の提出状況

「青色申告承認申請書」や「課税事業者選択届出書」など書類を同時に提出する場合は、この欄で「有」を選択します。

10. 事業の概要の書き方

事業内容を記載しますが、Amazon転売なら「インターネット等を利用した商品の仕入れおよび販売」などの表現が一般的でしょう。

11. 給与支払いに関する項目

従業員を雇う場合のみ記入します。

  • 従事員数:家族従業員は「専従者」、その他は「使用人」に区分
  • 給与の定め方:月給制・日給制・時給制など
  • 税額の有無:源泉徴収を行う場合は「有」にチェック

12. 「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」提出の有無

「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を提出する場合は、「有」にチェックします。

これを提出することで、毎月の納付ではなく年2回(半年ごと)の納付にすることが出来ます。

また、提出する時点で従業員を雇用する場合は、「給与支払を開始する年月日」も記入しましょう。

Amazon転売における開業届の提出方法は?

Amazon転売の開業届の出し方について、それぞれの特徴や注意点を解説します。

税務署の窓口で提出する

もっとも基本的で確実なのが、近くの税務署へ直接持参して提出する方法です。

窓口では職員に質問しながら進められるますので、「書き方が合っているか心配」「記入漏れを防ぎたい」等という方には適しているでしょう。

税務署の一般的な受付時間は、平日8時30分〜17時となっています(※土日祝は休み)が、訪問の際は念のため事前に各税務署の開庁時間を確認されることをお勧めします。

郵送で提出する

自宅から税務署まで距離がある場合や、仕事や家事などで窓口へ行く時間が取りにくい時など、郵送による提出も可能です。

ただし、書類の記入に誤りがあると受理されないこともありますので、ポストへ投函する前に内容に不備がないかしっかりと確認しておきましょう。

e-Taxを利用したオンライン提出

近年は、インターネットから開業届を送信できる「e-Tax(イータックス)」を利用するケースも増えています。

オンライン申請を行うには、マイナンバーカードと、ICカードリーダーまたは対応スマートフォンが必要です。

さらに、事前に「利用者識別番号」の取得を済ませておかなければ手続きが出来ませんので、余裕をもって準備しておきましょう。

提出後は開業届の控えを必ず保管

開業届を提出した後は、必ず控えを手元に残しておくことが重要です。控えは以下のような場面で求められることがあります。

  • 屋号(ビジネス名)で銀行口座を開設するとき
  • 小規模企業共済に加入する際
  • 商標登録の申請時
  • 金融機関から融資を受ける際
  • 保育園の入園申請など、就労証明が必要な時

なお、e-Taxでオンライン提出した場合は、受信通知を印刷するか「電子申請等証明書」を控えとして保存しておくようにしましょう。

開業届を提出すると副業がバレる?

会社員の方などがAmazon転売などの副業を始められる際、「開業届を出すと会社にバレてしまうのでは?」と心配される方も多いでしょう。

結論からいえば、開業届は税務署へ事業開始を届け出るための書類であり、出しただけで企業側に伝達されることは通常ありません。

とはいえ、副業が会社にバレる可能性が全くないわけではなく、もっとも一般的な原因は、給与以外の所得が増えることで住民税の金額が上がり、会社が徴収額の変化に気づくことでバレるケースです。

住民税は通常、会社が給与から天引きする「特別徴収」方式となっているため、税額が大きく変わると気付かれてしまうのです。

それを回避するためには、確定申告の際に住民税の納付方法を「自分で納付する(普通徴収)」にすることで、副業分の住民税は市区町村から本人に直接請求されるため、勤務先の給与明細に影響が出なくなります。

Amazon転売の利益を最大化するには?

Amazon転売を始めると、多くの方は「どうやって利益を伸ばすか」という点に目が向きがちですが、稼いだ利益をしっかりと守って適正な税務処理を行うことも、利益を最大化するには同じぐらい重要です。

特に、節税や税務調査のスキルは税理士によって差がありますので、それらに強い専門家に依頼できるかどうかで、将来あなたの手元に残る金額に差が出て来てしまうのが現実です。

例えば、開業届を提出した後、「青色申告の65万円控除」を使うために事業所得として申告することを考えておられる方が多いかと思いますが、もし税務署から否認されてしまえば、65万円控除などの青色申告の特典は使えなります。

全く青色申告の条件に満たない場合は仕方がありませんが、その条件も曖昧なため、より多くの税金を徴収したい税務署としては否認してくることもよくありますが、その際、税務調査対策スキルの低い税理士だと税務署の言いなりになってしまい、本来受けられるはずの控除や経費計上の権利を失うケースもあり得ます。

特にAmazon転売などのネットビジネスの調査は、一般的な事業のものとは異なり、特有のスキルや対応が求められることも多くありますので、ネットビジネスの税金に詳しい税理士を選べるかどうかが、あなたの利益を最大化できるかに影響を及ぼすというわけです。

まとめ

ここまで、Amazon転売における開業届の提出方法や、それぞれのメリットとデメリット、また注意点などについて解説いたしました。

将来の税額や、手元に残る金額にも関わってくることですので、しっかりと理解した上で行うようにしましょう。

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