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メルカリ開業届「メルカリ」や「ラクマ」などのフリマサイトの発展により、スマホやパソコンから誰でも気軽に商品を出品できることから、利用者は年々増加し、中には商品を仕入れてそれをメルカリ等で販売して、利益を得られている方もおられます。

弊社は2009年に創業したネットビジネス専門の会計会社(税理士事務所)で、それらの道のパイオニアの方々の税務顧問も多数務めさせて頂いていることから、メルカリ販売をされている全国の方からも、お問い合わせや確定申告の依頼が寄せられますが、中でも

「メルカリを使って転売を始めたんですが、開業届は必要でしょうか?」

といった質問も寄せられます。

そこで今回は、メルカリ販売において開業届を出す必要はあるのか?その判断基準や申請の流れ、また費用や具体的な申告書の書き方と注意点などについて解説します。

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そもそも開業届とは?いつ出せば良いの?

開業届とは、正式には「個人事業の開業・廃業等届出書」と呼ばれる書類で、個人が事業活動をスタートする際に、管轄の税務署へ提出する届出書です。

この開業届は、事業を開始した日から原則として1か月以内に提出することが求められており、所得税法第229条では以下のように記載されています。

居住者又は非居住者は、国内において新たに不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき事業を開始し、又は当該事業に係る事務所、事業所その他これらに準ずるものを設け、若しくはこれらを移転し若しくは廃止した場合には、財務省令で定めるところにより、その旨その他必要な事項を記載した届出書を、その事実があつた日から1月以内に、税務署長に提出しなければならない。

引用元:所得税法 第229条 開業等の届出

開業届を出すべき人は?

開業届というと、「会社を退職して独立・起業した人が提出するもの」という印象を持たれがちですが、実際にはそれ以外にも、例えば会社員として給与所得を得ながら、空いた時間に副業としてメルカリ販売を行い、事業所得が発生する場合も原則として提出が必要になります。

ポイントとなるのは、「事業として収益を得る意思があるか」「継続的に行うかどうか」という点です。

一時的に家の不要品を売ったり、単発の取引ではなく、例えば商品を仕入れて継続して収益を上げる目的で活動している場合等は、本業・副業を問わず事業として開業届を出す必要があるということです。

開業届を出すメリットについて

開業届を提出する最大のメリットは、税務上のさまざまな優遇措置を受けられる点にあります。

特に代表的なのが、開業届とあわせて「青色申告承認申請書」を提出することで、青色申告が出来るようになります。

青色申告では、複式簿記など一定の要件を満たした帳簿付けや書類を作成することで、最大65万円の青色申告特別控除を受けることができ、結果として所得税や住民税の負担を軽減することができます。

メルカリで開業届を出すメリットについて

メルカリ等のフリマサイトを使って継続的に商品販売を行っている場合、個人であっても開業届を出す必要がありますが、提出することで得られるメリットが複数ありますので確認しておきましょう。

青色申告で税務上の優遇を受けられる

メルカリ販売を事業として行い、開業届を提出する際に、「青色申告承認申請書」もあわせて提出することが可能です。

青色申告を行うことで、白色申告では受けられない以下のような税務上の優遇制度を活用できるようになります。

  • 青色申告特別控除:複式簿記による記帳など一定の要件を満たすことで、最大65万円の所得控除を使うことができます(簡易簿記でも10万円の控除を受けられます)。
  • 赤字の繰越が可能:年度内に利益が出ず赤字となった場合でも、その損失を最大3年間繰り越して翌年以降の利益と相殺することが可能です。
  • 家族への給与を経費にできる:青色事業専従者給与を利用することで、家族に支払う給与を経費として計上することができます。

信用力の向上が見込める

開業届は、税務署に対して正式に「事業を行っている」ことを届け出る書類です。

そのため、単なる個人の副収入ではなく、継続性のあるビジネスとして認識されやすくなります。

この点は、税務だけでなく社会的な信用にも影響し、以下のような場面でプラスに働くことがあります。

事務所や倉庫を借りる時に審査で通りやすくなる?

メルカリ販売を本格的に続けていくと、自宅とは別に在庫保管用の倉庫や作業スペースを借りられる方も多いでしょう。

その際、開業届を提出していることで、事業として活動している証拠の一つとなり、賃貸契約の審査で信用度が上がって通りやすくなる可能性があります。

融資や補助金、助成金等の申請が通りやすくなる?

事業を拡大する過程で、銀行や日本政策金融公庫からの融資、あるいは国や自治体の補助金・助成金を検討する方もおられるかと思いますが、これらの申請では、事業を行っている証明として開業届の控えを求められるケースがあります。

これにより、融資などの審査において信用度が高まることが考えられるでしょう。

屋号付きの銀行口座を開設できる

開業届を出すことで、屋号を含めた銀行口座を開設できるようになります。

屋号付き口座を利用することで、取引や入金の際に事業名が表示されるため、事業としての信頼度が強まり、相手方にも分かりやすくなるでしょう。

また注意点として、税務上の観点からも、事業用とプライベート用の銀行口座は必ず分けておくことが非常に重要です。

口座を混在させていると、税務調査の際にすべての取引履歴を求められる可能性があり、本来見せる必要のないものまで見られることになります。

また、金融機関によっては口座開設時に開業届の控えを求められる場合もあるため、提出後は大切に保管しておきましょう。

クレジットカードの審査が通りやすくなる

メルカリ販売では、仕入れや広告費、各種ツールの支払いなどでクレジットカードを活用する場面も多くなるかと思います。

ただ、個人事業主には会社員のような在職証明書がありませんので、その代替として「事業を行っている証明」として開業届の控えを出すことで、カード審査においてプラスに働くケースが考えられます。

また銀行口座と同様に、資金の流れをクリアにするためにも、クレジットカードも必ず事業用と私用を分けて管理しておきましょう。

開業届を出さなかった場合の罰則やデメリットとは?

メルカリ事業で開業届を提出しなかったからといって、罰金や行政処分が科されるわけではありません。

デメリットとして、開業届を出したことで得られるメリットが受けられないということになります。

メルカリで開業届を出す前に理解しておくべき注意点とは?

メルカリ販売を事業として行い、個人事業主として開業届を提出すると、税務面だけでなく、社会保険や失業手当などにも関係にも影響が及ぶ可能性があります。

開業届を提出すると失業手当は受給できなくなるのか?

税務署へ開業届を提出した時点で、行政上は「求職中の状態ではなく、事業を開始した」と見なされます。

そのため、会社を退職後にメルカリ販売を本業として始める場合、原則として失業手当(失業保険)は支給対象外となりますので注意しましょう。

開業届を提出する際にかかる費用はいくら必要?

開業届の提出自体には、手数料や申請料といった費用は一切発生しません。

ただし、開業届の提出に関連して、間接的なコストが発生するケースもありますので、予め見ておきましょう。

書類作成や提出を専門家に依頼した場合の費用について

開業届は国税庁のフォーマットに沿って自分で作成すれば、基本的には無料で提出できます。

ただ、初めての開業で記載内容に不安がある場合や、青色申告承認申請書など関連書類も同時に提出したい場合など、税理士などに依頼される方も多くおられます。

このような代行サービスを利用する場合、報酬は各事務所やサービス内容によって幅がありますが、数千円から高くても数万円程度が一般的な相場でしょう。

ちなみに、弊社の申告代行サービスへお申し込みの方は、これらの書類は無料で作成致しますのでお申し付けください。

事業用の印鑑の作成費用について

個人事業をスタートするタイミングで、事業用として新たに印鑑を用意される方も少なくありません。

印鑑登録の手続き自体は無料で行えますが、印鑑そのものの作成費用は別途かかります。

価格は材質やサイズ等によって大きく異なりますが、数千円から素材によっては数万円程度のものが一般的でしょう。

メルカリで開業届を出す時に必要な書類は?

メルカリで物販で開業届を出す際、事前に準備しておくべき書類がいくつかありますので、代表的なものを整理して解説します。

個人事業の開業・廃業等届出書

まず「個人事業の開業・廃業等届出書」で、これが一般的に「開業届」と呼ばれており、個人事業を始めたことを税務署へ知らせるための書類になります。

この書類は、国税庁の公式サイトからPDF形式でダウンロードできるほか、管轄の税務署窓口でも直接受け取ることが可能です。

青色申告承認申請書

開業届と同時に「青色申告承認申請書」も提出することができます。

青色申告を選択することで、最大65万円の特別控除や赤字の繰越など、税務上のメリットを受けられる可能性があります。

こちらの書類も国税庁のホームページからダウンロード可能です。

本人確認書類

開業届の提出時には、本人確認書類の提示が求められます。

具体的には、マイナンバーカード、運転免許証、パスポートなどで、いずれも有効期限内のものを準備しておきましょう。

メルカリでの開業届の具体的な書き方

ここからは、実際にメルカリ販売で「個人事業の開業・廃業等届出書(開業届)」を記入する際の流れと注意点を、項目ごとに解説します(画像内の番号と以下の項の番号はリンクしています)

開業届

1. 提出先税務署と提出日

1の欄には、あなたの住所を管轄する税務署名と提出日を記入します。

管轄の税務署は国税庁の公式サイトで検索できるため、事前に確認しておきましょう。

提出日は、税務署へ持参する日、または郵送で発送する日を記載します。

2. 納税地の区分と住所の記載

「納税地」では、以下のいずれかを選択し、該当する住所と電話番号を記入します。

  • 住所地:日常生活の拠点となっている自宅の住所
  • 居所地:一定期間住んでいるが、生活の本拠とまでは言えない場所
  • 事業所等:店舗や事務所など、事業活動の拠点

事業所が別である場合は事業所の場所を、自宅でメルカリ販売を行っている場合は住所地を記載するケースが一般的でしょう。

3. 氏名・生年月日・マイナンバー

氏名(フリガナ含む)、生年月日、個人番号(マイナンバー)を正確に記入します。

尚、押印は不要です。

4. 職業欄の書き方

職業欄には、事業内容がイメージしやすい表現を用いるのが良いでしょう。

メルカリ販売の場合、「ネット販売業」「インターネットを使った小売業」など、第三者が見ても分かりやすい表現を選ぶのが望ましいでしょう。

5. 屋号の記入について

屋号は、事業の名称やブランド名として使用されます。

事業内容や方向性を踏まえて決めるとよいでしょう。

6. 届出区分の選択

届出区分では、「開業」にチェックを入れます。

7. 所得の種類

メルカリでの物販収入は「事業所得」に該当します。

8. 開業日の決め方

開業日には、事業を開始した日を記入します。

明確な決まりはありませんが、例えば最初に仕入れを行った日や、販売準備を始めた日などが一般的でしょう。

9. 提出する関連書類の有無

「青色申告承認申請書」や「課税事業者選択届出書」など、同時に提出する書類がある場合は「有」にチェックします。

10. 事業の概要欄の書き方

事業の概要には、具体的な業務内容を簡潔に記載します。

メルカリを使った物販であれば、「インターネットを利用した商品の仕入れおよび販売」などの表現が一般的でしょう。

11. 給与支払いに関する項目

従業員を雇用する予定がある場合のみ記入します。

  • 従事員数:家族従業員は「専従者」、その他は「使用人」に区分
  • 給与の定め方:月給制・日給制・時給制など
  • 税額の有無:源泉徴収を行う場合は「有」にチェック

一人で運営する場合は、空欄で問題ありません。

12. 源泉所得税の納期の特例に関する申請

「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を提出する場合は、「有」にチェックを入れます。

この特例を利用すると、源泉所得税の納付が、毎月から年2回(半年ごと)にまとめられるため、事務負担を軽減できます。

また、すでに従業員を雇う予定がある場合は、「給与支払開始年月日」も記入しましょう。

メルカリ事業での開業届の出し方は?

メルカリ販売における開業届の提出方法はいくつかありますが、それぞれの特徴について解説します。

税務署の窓口で直接提出する方法

管轄の税務署へ出向いて直接提出する方法です。

書類を持参して窓口で提出するため、その場で内容を簡単に確認してもらえる点がメリットと言えるでしょう。

記入方法に不安がある場合や、漏れがないか心配といった方など、初めて開業届を提出する人にも向いています。

ただ最近は、税務署も電子化をすすめていて、書類を窓口に持参して提出すると受付印を押印してくれませんので、提出した証拠が必要な方は、e-Taxを活用したオンライン提出をされるほうがいいでしょう。

なお、税務署の受付時間は一般的に平日の8時30分から17時までとなっており、土日祝日は閉庁していますが、訪問前に確認してから行かれることをお勧めします。

郵送による提出方法

税務署が遠方にある場合や、平日に時間を確保するのが難しい方には、郵送での提出という選択肢もあります。

ただし、郵送の場合はその場で修正や確認ができないため、記載内容に誤りや不足があると、受理されない可能性があります。

なので投函前には、記載に漏れや間違いがないかを十分にチェックしておくことが重要です。

また、郵送では受付印を押印してもらえませんので、必要な方はe-Taxで申請されるのが良いでしょう。

e-Taxを活用したオンライン提出

最近では、国税電子申告・納税システムである「e-Tax」を利用して、インターネット上から開業届を提出する人も増えています。

自宅から手続きができるため、時間や場所に縛られない点が大きな利点です。

ただしe-Taxを利用した申請には、マイナンバーカードに加えて、ICカードリーダーもしくはマイナンバーカードに対応したスマートフォンが必要になります。

また、事前に「利用者識別番号」を取得しておかなければ申請が進められないため、余裕をもって準備を進めておくようにしましょう。

提出後は開業届の控えを必ず保管しておく

開業届を提出した後は、必ず控えを保管しておくことが大切です。

この控えはさまざまな場面で提出を求められることがあり、例えば、

  • 屋号名義での銀行口座開設時
  • 小規模企業共済への加入手続きの際
  • 商標登録の申請時
  • 金融機関から事業融資を受ける際
  • 保育園の入園申請などで就労状況を証明する際

などで必要になることがあります。

後から慌てないよう、確実に保管しておきましょう。

開業届を提出したらい副業がバレる?

サラリーマンの方から、メルカリ転売などの副業を始める際に、

「開業届を出したら勤務先に副業がバレますか?」

と聞かれることがあります。

特に副業が就業規則で制限されている場合、非常に気になるポイントでしょう。

まず前提として、開業届はあくまで税務署に対して「事業を開始したこと」を申告するための書類で、会社や勤務先に自動的に情報が共有される仕組みはありません。

そのため、開業届を提出しただけで副業が会社に伝わることは基本的にありません。

ただし、副業が絶対にバレないかというと、そうとは言い切れず、多くの場合、問題になるのは開業届そのものではなく「住民税」の扱いです。

副業によって給与以外の所得が増えると、その分だけ住民税の金額が上がり、この住民税の変動がきっかけで会社に気付かれてしまうことがあります。

通常、会社員の住民税は「特別徴収」と呼ばれる方法で、毎月の給与から天引きされていますので、住民税額が高くなると、経理や総務担当者が違和感を覚える可能性があるのです。

このリスクを下げるための対策としては、確定申告時に住民税の納付方法を「自分で納付する(普通徴収)」にすることです。

普通徴収を選ぶことで、副業分の住民税は市区町村から本人宛てに直接請求され、会社の給与天引き額には反映されなくなりますので、その結果、勤務先に副業の存在を知られるリスクを抑えることが可能になります。

メルカリの利益を最大化するには?

メルカリを使ったビジネスを始めると、多くの人は「どこから安く仕入れるか」「売上をどう伸ばすか」といった点に意識が向きがちですが、本当の意味で利益を最大化するためには、売上を増やすことと同じくらい、「稼いだお金をいかに減らさず手元に残すか」という視点も重要になってきます。

特に、節税対策や税務調査対策のスキルというのは、税理士によって差がありますので、同じ売上だったとしても、どの税理士に依頼をするかで、あなたの手元に残る金額が変わってきてしまうのが現実です。

また、メルカリ販売のようなネットビジネスは、店舗型の事業とは異なり、日々の記帳方法や税務調査対策など、特有の対応が必要になってくる部分もありますので、それらに詳しい税理士に頼めるかどうかで、手元に残る金額に数百万円から数千万円の差が出て来てしまうことも実際にあります。

つまり、メルカリの利益を最大化するためには、売上を伸ばすだけでなく、それらをしっかりと守れるネットビジネスの税務に詳しい専門家と組めるかどうかも重要な分岐点になるのです。

メルカリの節税に強い税理士を失敗せずに選ぶ方法についてはこちらをご参照ください。

まとめ

今回は、メルカリビジネスにおける開業届について、判断基準やメリットとデメリット、また必要書類や開業届の具体的な書き方、注意すべき点などについて解説致しました。

事前に理解しておけば、さほど難しいことはありませんし、また弊社のサービスへお申し込みの方は、無料で書類を作成させて頂きますので、お気軽にお申し付けください。

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