この記事を書いている人
税理士 堀 龍市
ネットビジネス専門会計株式会社 代表取締役
税理士(近畿税理士会所属 登録番号092469番)
有名YouTuberの他、せどりや転売・物販、アフィリエイトなど、各ネットビジネス界のパイオニアらの税務顧問を多数担当。マスコミ実績多数。
自身も業務でネットを活用することで、北は北海道から南は沖縄の離島まで多くのクライアント実績を持つ。
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最近では、事業資金の調達方法の1つとして「クラウドファンディング」を利用される方が増加傾向にあるようです。
上手くいけば、自身のプロジェクトに賛同してくれる方々から、たくさんの資金を集めることができますが、集めることには熱心でも、税金のことまで先に考えられておられない方も結構多いのか、弊社へ問い合わせて来られる方も増えています。
以下に解説しますが、クラウドファンディングで集めたお金にも、税金がかかることがありますので注意が必要です。
そこで今回は、クラウドファンディングの種類から、その種類別の税務上の取り扱いについて、順を追って確認していきましょう。
そもそもクラウドファンディングとは?
クラウドファンディングとは、群衆(crowd)と資金調達(funding)という言葉からつくられた造語で、インターネットを通じて、不特定多数の人に自身の活動やプロジェクトを発信することで、その想いに賛同してくれた人から資金提供を受ける仕組みのことです。
これまでは、自分のお金や金融機関からの融資による資金調達を行わなければならなかったケースでも、クラウドファンディングであれば、賛同者から資金を調達することができます。
また、クラウドファンディングは賛同者がいなければ資金を調達することができない、つまり、自身のプロジェクトがどの程度世間に受け入れられているのかを事前に知ることができるメリットもあり、中小企業でも、商品開発や新規事業を目的としてクラウドファンディングが活用されています。
クラウドファンディングには種類がある!?
一言でクラウドファンディングといっても、その内容により、クラウドファンディングにはいくつかの種類があります。
大別すると、資金を提供した人に対して金銭的なリターンがある「投資型」と、金銭的なリターンのない「非投資型」に分かれます。
更に細かく見ていくと、投資型には、複数の個人から資金を集めて大口の借り手に融資をする「融資型」、出資したプロジェクトから生まれた利益に応じて分配金を受け取る「ファンド型」、出資先の企業の株式を受け取ることができる「株式型」の3つがあり、非投資型には、商品やサービスといった金銭以外のリターンがある「購入型」と、一切のリターンがない「寄付型」の2つがあります。
クラウドファンディングの税金はその種類によって異なる?
このように、5つの種類に分かれるクラウドファンディングですが、集めたお金にかかる税金の取り扱いも、それぞれの種類によって異なります。税務上どのような違いがあるのか、種類別に確認していきましょう。
投資型のクラウドファンディングの税金について(融資型・ファンド型・株式型)
投資型のクラウドファンディングについては、資金を受け取った際に税金がかかることはありません。
ただし、その資金を運用して利益が生じた場合には、その利益には税金がかかりますので注意が必要です。
考え方をイメージしていただきたいので、仕訳などの具体的な説明はあえて割愛しますが、融資型は通常の銀行融資などと同じく、いわゆる借入金と同じで、ファンド型・株式型については新株発行などと同じようなイメージになります。
購入型のクラウドファンディングの税金について
購入型のクラウドファンディングの場合、リターンとして商品やサービスが提供されますので、税務上は通常の売買と同じ取り扱いになります。
よって、資金調達を行うのが個人の場合は「事業所得」または「雑所得」として所得税の課税対象に、資金調達を行うのが法人の場合は法人の収益となり法人税の課税対象になります。
寄付型のクラウドファンディングの税金について
寄付型のクラウドファンディングは、購入型と混同してしまう方も多いようですが、リターンがないという点において税法上は募金のような寄付と同じ考え方になり、少々取り扱いが複雑です。
まずは、資金調達を行っているのが個人なのか法人なのかによって取り扱いが異なります。
資金調達を行うのが法人の場合は、調達したお金は「受贈益」となり法人税の課税対象になります。
一方、資金調達を行うのが個人の場合ですが、さきほど説明したように、税務上は寄付と同じ考え方になることから、資金提供をしたのが個人なのか法人なのかによっても、取り扱いが変わるため注意が必要です。
個人が個人から資金提供を受けた場合には、贈与税の課税対象となります。
つまり、その年の1月1日から12月31日までに贈与を受けた金額(クラウドファンディング以外のものも含む)が、基礎控除額の110万円を超えるようであれば、贈与税の申告・納税が必要になります。
個人が法人から資金提供を受けた場合には、一時所得として所得税の課税対象となります。
つまり、調達した資金の額から、資金調達に要した必要経費(手数料など)と特別控除50万円を差し引いた金額に税金がかかることになります。
まとめ
クラウドファンディングで集まったお金は、ビジネスを行って得たお金ではないため、収入といったイメージがなく、そもそも申告すべき収入なのか?というところから迷われる方も多いようです。
しかし実際は、今回ご紹介したようにクラウドファンディングの種類により、税金がかかってくるケースが存在します。
そのままにしておくと、加算税や延滞税などといった本来必要のない税金が課せられてしまう可能性もあります。
関連記事>>>『危険!延滞税や無申告加算税などペナルティの税金の種類と内容とは?』
特に税務署は、流行りのもので、申告ミスが多く、追徴ぜきそうなところを狙う傾向もありますので、クラウドファンディングを企画する際には、その内容によって税務上どのような取り扱いになるのか、事前にしっかりと把握しておくようにしましょう。
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