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持続化給付金の不正受給

このページをご覧になられている方の中には、副業の他、個人事業主や法人として、アフィリエイトやせどり、物販やユーチューバーなどの、ネットビジネス事業をされている方も多いかと思いますが、2020年の5月には、新型コロナウイルス感染症や、それによる緊急事態宣言や自粛要請等によって、売上が減少した事業者に向けて「持続化給付金」が受け付け開始されました。

その申請要件や金額については、以前、こちらのページに書かせていただいておりますので割愛しますけども、今回は給付開始まもなくから大きな問題になっている「不正受給」についてと、正しく受給されている方でも、確定申告の際に注意が必要ですので、それらについて解説致します。

 

そもそも持続化給付金の不正受給とは?

冒頭でも少し述べましたが「持続化給付金」とは、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、売上が大幅に減少した中小企業や個人事業主に対して、継続して事業継続の支えとなるよう、事業全般に広く使える給付金を支給するという制度です。

ただそんな中で、事業をしていないのに事業主を装ったり、嘘の売上金額を記載したりと様々な方法で虚偽の申請をし給付金を騙し取ったという事件も起きています。

既に逮捕された人の多くは、10代~30代と若い世代で、実際には口コミやSNSを通じて不正受給を裏で指南した者も逮捕されています。

主な手口としては、前年度の確定申告が、新型コロナウイルスの影響で本来の申告期限を超えても受け付けられることを利用し、期限を過ぎてから、前年度の嘘の売上を計上した確定申告書を税務署に提出して、この申告書を使って給付金の申請を行っていたりしていたようです。

ただ、こういった虚偽の申請をし、中小企業庁が調査を行い、内部で不正受給認定を行った場合のものについてを「不正受給」と呼ぶとされています。

国も不正受給の摘発に本格的に動き出した?

ニュースや新聞でも、これらの事件についてよく取り上げられていますが、実は国も取り締まろうと、既に本格的に動き出しています。

元々、給付金については迅速に届けることが重要でしたので、少々は見過ごしながらも、後から摘発していくといったスタンスだったのでしょう。

では具体的にどういった方法で取り締まりが行われているのか、順に解説していきます。

不正受給対応専門チームがつくられた?

7月に国内初の逮捕者が出たときは大きくニュースにも取り上げられたため、ご存知の方も多いのではないでしょうか。

このブログを書かせていただいているのは2020年の11月末ですが、この数日の間にも続々と逮捕者が出ており、その大きな理由の1つとして、実は中小企業庁が「不正受給対応専門チーム」を作り、本格的に調査に乗り出したということがあげられるでしょう。

では、不正受給をした場合、どのように摘発されるのでしょうか?

不正受給対応専門チームとは?

あまり知られていないかも知れませんが、不正受給対応専門チーム自体は、実は中小企業庁が2020年6月に発足させ、7月には本格的に調査を始めています。

このチームの具体的な人数などは明らかにされていませんけども、現在も粛々と調査をおこなっているということです。

「持続化給付金給付規定」の解釈では、この不正給付対応専門チームに限らず、外部に調査を委託することも可能ということですので、今後も関係省庁と情報共有を行い、広い範囲で調査に力をいれていくとみられます。

罰則と調査の具体的な流れとは?

先ほど、中小企業庁が調査を行い、内部で不正受給認定を行った場合のものについてを「不正受給」と呼びます、とお伝えしましたが、実は、中小企業庁の調査などで指摘を受ける前に返還をすれば、「不正受給」には該当しないとされ、2割加算等の罰則は課されません。

不正受給や自主返還の場合の返還額は?

前章でお伝えした通り、「自主返還」なのか「不正受給」なのかで扱いが異なります。

自主返還の場合は、持続化給付金で受け取った金額をそのまま返還することになります。

一方で「不正受給」と認定されてしまうと、氏名等の公表や、持続化給付金と延滞金の合計額に2割相当額を加えた金額の支払いを命じられます。

つまり、もし100万円を不正受給していたとしたら、120万円以上返還しないといけないということですね(※この場合の延滞金は不正受給日の翌日から返還日まで年3%の割合で算定されます)。

自主返還を行う人が後をたたない!

上記でお伝えした内容もあってか、逮捕者が出ているというニュースが出て以降、軽い気持ちで行った大学生などの自主返還も含めて、一気に増えているようです。

11月5日現在、返還件数が752件、返還金額は7億9400万円、返還完了分を除く返還申出件数は7,355件にのぼり、これもまだ氷山の一角と言われていますので、いかに不正に申請していた人が多いかという事が伺えます。

素早い給付のためとは言え、申請の方法が簡素だったことや、実際には申請の段階では「本当にコロナウイルスの影響があったのか」という点の調査はされずに給付されていたということもあり、このような不正受給が相次いだと考えられるでしょう。

不正受給が発覚するのは実は調査だけではない?

申請時に確定申告書や売上台帳を提出する事もあって、こういった申請書類から不正受給が発覚することも少なくありません。

しかし、最も多いのが実は「タレコミ」なのです。

持続化給付金事業コールセンターには、通報や情報提供が多く寄せられていているということで、そのタレコミを元にした調査も進められているようです。

最近は、ブログやYouTube、SNS等の不特定多数の人が目にすることの出来るところであっても、罪の意識なく、不適切な情報をアップしている人も多く、時折ニュースにもなっていますが、今回の不正受給の勧誘も、主にSNS等で行われた事から考えると、第三者から簡単にバレてしまう可能性も大いにあると思いますので、万が一にも該当される方がいらっしゃったら、一刻も早く自主返還されることをお勧めします。

持続化給付金は課税対象になる?申告の方法について

さて、ここまでは不正受給について主に解説してきましたが、正しく受給された場合でも、持続化給付金自体は返済不要ではありますが課税対象となりますので、確定申告の時など注意が必要です。

それらについて見ていきましょう。

個人の場合は?

持続化給付金を受け取った個人の方は、令和2年分の確定申告の際に、総収入金額に持続化給付金を含めて申告する事が基本になります。

そのため、申告義務があるにも関わらず無申告となっている場合、国税当局からの指摘があると考えられますので、申告の際には注意が必要です。

また、持続化給付金の所得区分は、行われている事業によって、

  • 事業所得 (事業所得者向け)
  • 一時所得 (給与所得者向け)
  • 雑所得 (雑所得者向け)

に分かれます。

法人の場合は?

持続化給付金を受け取った法人も、先程の個人の場合と同様に収入に計上する必要があります。

こちらも受給後の決算申告の際に計上されていなければ指摘を受けると考えられますので、申告の際には注意が必要です。

さらに詳しい情報について

尚、これらについては、国税庁のサイトに

「国税における新型コロナウイルス感染症拡大防止への対応と申告や納税などの当面の税務上の取扱いに関するFAQ」

というページが設けられていますので、こちらも参考になさって下さい。

まとめ

今回の内容を見ても、中小企業庁が不正受給に目を光らせているのは、逮捕者が続出していることからもわかりますが、恐らくこれからの時期は国税庁も申告をされる際に、持続化給付金が計上されているかどうか、確実に目を光らせてくるでしょう。

国税庁と中小企業庁の間で、どこまでの情報共有が行われているかは今の所明らかにされていませんが、もし受給しているのに申告していない場合、税務調査の対象となりやすくなる事が考えられます。

不正受給をしてしまった方は稀かも知れませんが、うっかり収入に計上し忘れた事によってペナルティを受けてしまっては意味がありませんので、しっかりと収入に計上し、申告するようにしましょう。

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