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フリーランス

フリーランスとしてビジネスが軌道に乗ってくると、法人化(法人成り)を考えられる方も多いでしょう。

中には個人では契約できない案件もあるでしょうし、「信頼」という点では、個人事業主よりもイメージが良くなる点もあるかと思います。

また、会社を設立することで、税金面で有利になるなどという情報を耳にしたことのある人も多いかと思います。

実際に、毎月行わせていただいている弊社の無料相談会でも、法人化を考えられている個人事業主の方のご相談をお受けすることがありますが、多いのが

  • 会社を設立するなんてお金もかかりそうだし大変そう
  • 節税に有効だとは知っているが、ビジネスが忙しくて法人成りについて調べる時間もないので、フリーランスのままビジネスをしている
  • 個人事業主と法人とでは、どれだけ差が出るのかイマイチわからない

といったご相談です。

そういった方の場合は、どれだけ税金の額が違ってくるか、無料でシミュレーション資料を作らせていただくことも多々あるのですが(作ったからといってセールスや勧誘等は一切行っておりません)、

同じような悩みをお持ちの方も多いかと思いますので、今回は、フリーランス(個人事業)と法人(会社)の違いやメリット・デメリットについて。またどの段階で法人化を検討するのが効果的なのか等について、順を追って解説していきたいと思います。

 

そもそも「フリーランス」と「法人」との税金面での違いは?

具体的に、「フリーランス(個人事業主)」としてビジネスを行っている場合と、「法人」として行っている場合の税金の違いについて、まずは解説していきましょう。

フリーランスの税金について

フリーランスとしてビジネスをしている場合、税金は「所得税法」というルールに従って計算することになります。

フリーランスの利益(所得)は、所得税法では「事業所得」という所得に区分されますので、売上から必要経費を差し引いた利益(正確には、そこから社会保険料控除や生命保険料控除、扶養控除などといった所得控除を差し引いた課税所得)の金額によって、「超過累進税率」というものによって課税されることになります。

所得税

法人の税金について

一方、法人でビジネスをしている場合、税金は「法人税法」というルールにしたがって計算することになります。

法人では、売上から必要経費を差し引いた利益(正確には所得)に法人税率を掛けて税金を計算します。

法人税の税率は所得税とは違い、次の表のように2段階となっています。

法人税

税率の違いは上記の通りです。

ここで注意していただきたいのは、ご相談者の中にもよくおられるのですけれど、フリーランスと法人では、そもそも税金を計算するルールが異なりますので、単純に税率(数字)の違いだけで比較をすると、損をしてしまう恐れがあります。

それについては、次章で具体的な数字を使って確認をしていくことにしましょう。

フリーランスが法人化するメリットとは?

フリーランスが法人化をするメリットには、節税対策として、まず自分にお給料が払えるということがあります(個人の場合は払えません)。

「自分に給料を支払うことがどうしてメリットになるの?」

と感じられる方もおられるかもしれませんが、お給料の税金というのはとても優遇されているのです。

お給料は法人の経費になりますので、支払ったお給料の分だけ利益の額、つまり税金がかかる金額を減らすことができます。

具体的にシミュレーションしてみた結果はこの通り

例えば、売上から必要経費を差し引いた利益が1,000万円あったとしましょう。

フリーランス(個人事業)の場合は、この1,000万円に対して税金がかかってくるわけですが、法人の場合は、ここから自分に支払うお給料を更に差し引くことができますので、自分に500万円のお給料を支払ったとすると、税金がかかる金額は1,000万円-500万円=500万円になるわけです。

この説明をすると、相談会などでも

「それで法人の税金が減ったとしても、自分がもらった500万円にも個人の税金がかかるんじゃないんですか?」

と質問をされる方がおられます。

しかしお給料には「給与所得控除」というものがあり、給与収入全額に対して税金がかかるわけではありません。

500万円のお給料をもらった場合の給与所得控除は、以下の表より154万円となりますので、税金のかかる金額は500万円-154万円=346万円になります(※単純に給与を支払ったことのみによる税額の差を計算した場合の例となります)。

給与所得控除

つまり、フリーランスであれば1,000万円の利益すべてに対して税金がかかっていたのに対し、法人でビジネスを行い自分にお給料を500万円支払っただけで、税金のかかる金額が154万円も減るというわけです。

さらに、上記「そもそもフリーランスと法人の税金面での違いとは」で見ていただいたように、法人税も所得税も所得が増えれば税率が上がります。

自分にお給料を支払って法人と個人で所得を分散すれば、それぞれで低い税率を使うことができますので、所得を分散すること自体が節税になってくるというわけです。

上記のお給料を使った方法は、法人ならではの節税法としては初歩の初歩で、他にもたくさんのやり方がありますが、そんな初歩的なことでもこれだけ変わってくるということです。

消費税の対策にもなる?

また、フリーランスは売上が1,000万円を超えると、その2年後から消費税を払わなければならなくなります。

法人成りをする際、資本金を1,000万円未満で設立すれば、そこから2年間(正確には2期の間)、消費税が免税となりますので、フリーランスの方で消費税を納めている、もしくは、もうすぐ消費税の課税事業者になるといった方にはメリットになります。

※法人設立1期目の売上や人件費の支払状況によっては、2期目から消費税の課税事業者になるケースがありますので、詳しくは専門家にご相談ください。

対外的な信頼が増す?

他には、税金面ではありませんが、対外的な信用が増すというのも法人化のメリットです。

特に行政や大手企業の案件の場合、法人でないと申し込めないものも多いようですが、弊社のクライアント様でも、

「最初は節税目的で法人成りしたが、名刺交換をしたときの相手の見る目が変わった」

「取引先や外注業者との交渉がしやすくなった」

という声を聞くことも少なくなく、実際にそういったニュアンス的なことのみならず、売上の数字が伸びているところが多くあります。

フリーランスが法人化するデメリットとは?

一方で、法人化にはもちろんデメリットもありますので、それを見ていくことにしましょう。

会社設立に費用がかかる

まず、法人を設立するには法務局に登記申請をしなければなりませんが、その際に登録免許税や定款認証費用などのお金が必要になります。

設立費用は株式会社と合同会社で異なりますが、概ね以下の通りです。

  • 株式会社:登録免許税 15万円、定款認証 約52,000円(定款の内容により異なる)
  • 合同会社:登録免許税 6万円(合同会社の場合、定款認証は不要です)

また、設立登記を司法書士に依頼する場合には、その手数料が必要になります(弊社のように負担してもらえる場合を除く)。

赤字でも税金がかかる

フリーランスだと赤字の場合は税金がかかりませんが、法人だと赤字であっても、法人住民税の一部である「均等割」という年間約7万円の税金がかかってきます。

ただし、万が一赤字が続いて継続が厳しい場合等は、休眠することで均等割をかからなくすることも可能です。

申告が複雑である

他には、フリーランスに比べ会計処理や税務申告の難易度が上がります。

フリーランスでももちろん帳簿をつけて税金の申告をされているかと思いますが、法人の場合、決算や法人税の申告などは、経理や税務経験の無い方にとっては非常に難易度が高く、面倒な作業と言わざるを得ません。

これについては、税理士に依頼することによって解消できますが、当然ながらその費用は必要になってきます。

まとめ:デメリットをメリットに変える方法と、法人化するタイミングはリスクに対して考えるべき

無料相談会やメール相談でも

「利益がいくら以上になったら法人化した方が良いですか?」

と聞かれることが多いのですが、ネット上を見てみても、600万を超えたらや、800万以上で……、など、様々な基準を目にしますけれども、これまで多くの会社設立や、節税、税務調査対策にお応えしてきた経験から申し上げますと、ここで考えるべきポイントは、売上や利益の数字だけではなく「リスクとの兼ね合い」です。

例えば弊社のクライアントさんの中には、色んな税理士や会計士を渡り歩いた結果、当社へ辿り着かれる方も多いのですが、過去に税務調査が入って、多額の追徴課税を言い渡された方も多くおられ、その時にフリーランスだったので、言われるがままに納められた方や、当時の顧問や知り合いだった税理士や会計士に相談しても

「税務署が言っているので払うしかありませんね……」

と言われて困っていたのが、弊社が対応した結果、追徴されずに済んだというケースも多々あります。

つまり、売上や利益の数字などを根拠に法人化をしても、節税の方法は格段に増えますが、いくら節税したところで、税務署により多く持って行かれていては意味がありません。

関連記事:『せどりやアフィリエイトなどIT関係の税務調査の全貌を税理士が解説』

ということは、先ほど、法人化のデメリットのところで、税理士に依頼をすると費用がかかると書きましたが、それで、追徴のリスクを免れるのではあれば、結果として

  • 帳簿や領収書の整理や申告から解放され、自分はビジネスに集中できる
  • 万が一の時に、用心棒として利益を守れる

など、実はデメリットも大きなメリットに変わる上に、税理士費用も経費として計上できます。

(但し、税理士さんや会計士さんによって、節税や税務調査対策のスキルが全く違うのと、中には申告の代行だけで、領収書の整理や帳簿記入は自分でしないといけないところもありますので、そこは注意が必要です。)

また、弊社の場合、具体的な数字を基にシミュレーションを行った上で、個人の方が有利な場合は、法人化はお勧めせず、その旨をお伝えしておりますが、全く数字の基準がないのも判断に迷われるかと思いますので、一つの目安としては、個人の納税額が80万円を超えられている方は、弊社に限らず、一度、専門家にシミュレーションを出してもらっても良いでしょう(2017.11.11)

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