コロナ

このブログを執筆している現在、新型コロナウイルス(COVID-19)の影響により、ビジネスの世界でも様々な変化が起こっています。

例えば分かりやすいところで言うと、飲食店などは自粛要請が出された影響で、以前と同じような商売が出来ず、宅配デリバリーや、テイクアウトのお弁当を始められたり、他にも飲食店に関わらず、既に仕入れていて行き場を失った商品を、ネット通販などで提供される方も一気に増えました。

今は、それらを活用し、少しでも乗り切ることで精一杯の方も多いかと思いますが、実は気を付けておかないといけないのが税金です。

変化が起こるということは、今までと同じ対応をしていてはいけないわけですが、特に今まで現金商売をしていた方が電子マネーやキャッシュレス決済を導入したり、ネット通販を始められるなど、販売形態や決済方法が変わることで、税金面も変わる可能性が出てきますので、今回はその辺りのことについて解説していきたいと思います。

 

販売形態が変わるとお金の流れが変わる!?

冒頭でも少しお話しましたが、アフターコロナやウィズコロナに向けて、例えばこれまで実店舗でお商売をされていた方が、新しい販路を開拓すべく、デリバリーやお取り寄せ(通信販売)など、これまでとは違ったモデルでビジネスでの展開を始められた方もたくさんおられるでしょう。

ただ、販路が変わればお金の流れが変わります。

お金の流れが変わるということは、税務上の処理もそれによって今までと変わってくる点が数多く考えられるということになりますので、順を追って解説していきます。

お取り寄せなどの通信販売で経費になるものとは?

例えば実店舗で販売していた商品や、既に仕入れ済みのモノなど、これまで店舗で直接販売をしていたものをネット通販などで販売するようになると、それを入れる容器や送料など、今まで支払っていなかった費用がかかるようになります。

そういった費用も、「通信販売を行う上で直接関連のある費用」については経費として計上することができますので、これらをしっかりと計上するようにしましょう。

但し、注意が必要なのは「直接関連のある費用」になりますので、無理にこじつけたようなものは認められない可能性が高くなります。

ただ、それでは少し曖昧すぎるという方のために、簡単な判断のポイントとしては、

  • 通信販売への関連性
  • 通信販売に対する必要性

これらについて、主観ではなく客観的かつ社会通念上どうかという基準で考えることが重要になってきます。

このポイントは税務調査の際にもよく争点になる内容なので、しっかりと冷静に判断する必要があるでしょう。

これらのポイントをおさえた上で、通信販売の経費を具体的に考えてみると、

  1. ECサイト(販売サイト)などに支払う手数料
  2. 通信販売のための資材梱包費
  3. 商品を発送する際の送料
  4. 通信販売のための通信費
  5. 通信販売のためのネット広告費

などが挙げられるかと思います。

ネット広告を使った時の注意点とは?

前項で挙げた経費の例の内、特に注意が必要なものの1つにネット広告費があります。

弊社はネットビジネスの申告や税務調査対策に関して、過去にたくさんの実績がありますが、実際の現場のことをお話させていただくと、一口にネット広告といっても、メルマガ広告やFacebook広告、Googleアドワーズなど、実に様々な種類のものがあり、すべて同じ方法で経費処理をすることは、実は非常に危険な行為であると言えます。

税務上、広告費が経費として計上できるのは、広告の効果が反映される状態であることが重要なポイントになるのですが、このポイントに従って厳密に判断すると、広告の種類によって、様々なケースを考えなければなりません。

こちらについては、過去にネット広告の税務処理の注意点についてまとめておりますのでこちらをご参照ください。

関連記事>>>『アドワーズやヤフーリスティング等のPPC広告が経費にならない?』

キャッシュレス決済(電子マネー)を利用する際の注意点について

前章では、通信販売を行うことによる「費用(経費)」について見てきましたが、ここからは「決済や売上について」の注意点を見ていきたいと思います。

店舗では現金販売しかしてこなかったという方にとっては、電子決済ならではの税務上のポイントがありますので注意が必要です。

しかもこれらは税務調査でも、非常に狙われやすいポイントですので十分に気をつけなければなりません。

入金額と税務上の売上高の違いについて

現金でモノやサービスを販売している場合、受け取った金額を売上として計上していれば問題がなかったかと思います。

ただ、最近ではキャッシュカードの他、PayPayなどの電子マネーを使ったキャッシュレス決済も、非常に簡単に低価格で導入でき、新型コロナウイルス感染予防として、なるべく現金に触りたくないという理由で、それらを導入されるお店のオーナーや消費者も増えているようです。

また通販を行った際にも、何かしらの決済サービスを使われる方も多いかと思いますが、注意しないといけないのは、どちらの場合においても「入金額(受け取った金額)=売上高」ではないケースが生じる可能性があるということです。

例えば、通販の販売サイトでは、利用しているサービスによって売上金が通帳に入金された際に、すでにサイトの使用料(手数料)等が差し引かれて入金されるものと、そうでないもの(純粋に売り上げた金額が入金され、あとから手数料等が引き落とされるもの)がありますし、また、電子決済サービスでは決済手数料が差し引かれて入金される場合がほとんどかと思います。

これらを現金販売と同じ感覚で「入金額=売上高」として処理してしまうと、トラブルの原因となる可能性が実は大なのです。

その理由としてよくあるのが、通販サイトの手数料を二重で引いてしまうケースや、消費税の課税事業者に該当するかどうかの判定を誤ってしまう可能性があること。

また、すでに消費税の課税事業者になっている方でも、簡易課税を選択している場合には、消費税額が本来納めるべき税額より少なく計算されてしまうリスクが起こり得ます。

なので原則として売上高を考える場合は、あくまで「手数料等が差し引かれる前の決済額で計上する」ようにしましょう。

未入金の売上は計上すべき?

前項同様、現金商売の場合、モノやサービスを販売するのと同時に、売上を現金で受け取りますので、それを売上として計上していれば問題がなかったかと思いますが、電子マネーなどのキャッシュレス決済や、通信販売などで決済サービスを導入すると、モノが売れたタイミングと、お金が入金されるタイミングにタイムラグが生じるようになります。

このモノが売れたことが確定しているけれども実際にお金が入金されていない分の金額を「売掛金」と言い、税法上、売掛金は売上として計上し、税金を納めなければなりません。

そのため、現金販売のみの時と同様に入金額のみを売上高として計上していると、納めるべき税金が不足してあとから税務署に指摘をされ、本来きちんと申告していれば、払う必要のなかったペナルティーなどを徴収される可能性も出て来ます。

関連記事>>>『危険!延滞税や無申告加算税などペナルティの税金の種類と内容とは?』

例えばよくあるケースとして、キャッシュレス決済のシステムによっては、入金口座として登録する銀行口座の違いで、入金サイクルが異なってくることがありますので
(例えばA銀行を登録すると翌営業日に入金されるが、それ以外の銀行口座だと週に1回まとめてや、翌月入金になるシステムなど)、自身の利用しているサービスの入金サイクルを把握しておくことは、実店舗やネット販売のどちらにおいても非常に重要だと言えるでしょう。

また個人事業の場合、その年の1月1日から12月31日までの売上を集計する必要があるわけですが、通帳から売上を集計する際には、ぴったり12月31日までの入金分を集計するのではなく、翌年1月以降の入金についても、年内に売れたことが確定している分については漏れなく集計する必要があります。

ちなみにここは税務署が非常によく指摘してくるポイントでもありますので、間違いのないよう充分注意しましょう。
(※現金主義による所得計算の特例を受けることの届出書を提出している場合などは上記の限りではありません)

まとめ

今まで現金商売をしていた方が、新型コロナウイルスなどの影響などで、電子マネーやキャッシュレス決済を導入されたり、ネット通販などを始められることで、このように様々な税務上の注意点が実は存在します。

せっかく新しいことにチャレンジし、この苦境を乗り越えたとしても、後になって税務署から処理の誤りを指摘され、追加の税金を納めなければならないようなことがあれば、非常に勿体ないことだと言えるでしょう。

そのようなことのないように、新たな販路を取り入れられた際は、税金のことまでしっかりと確認しておかれることをお勧めします。

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