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予定納税

弊社のクライアント様の中には、物販やアフィリエイト、YouTuberなど、インターネットを使ったビジネスをされている方が多くおられ、それらに関する税金の質問も、全国よりほぼ毎日寄せられるのですが、夏頃になると毎年、

「春に確定申告をしたのに、また納税するよう連絡が来たのですが……」

という問い合わせが来ます。

ちなみに以前、確定申告が終わった後に「税金を納めて下さいね」と通知がやって来る、「事業税」に関する記事を書かせていただきましたが、実はこれ以外にも、後から税金を払うよう連絡がくるケースがあります。

尚、弊社のクライアント様の場合は、大体いつ頃にいくらぐらい納税を行う必要があるのか、事前にお知らせしておりますが、例えばご自身で申告されていて、税務申告ソフトを利用するなどされていなければ、そこまで把握するのはなかなか難しいかも知れません。

ただこれも、知らないからといって無視しているとペナルティ(延滞税)が付くことになりますので注意が必要です。

全ての方が対象ということではありませんが、昨年分の確定申告で税金が15万円を超えている方は、対象になっている可能性が高いのと、今回15万円を超えなかった方も、来年は対象になる可能性もありますので、ぜひこの機会に理解しておいて下さいね。

関連記事>>>『危険!延滞税や無申告加算税などペナルティの税金の種類と内容とは?』

 

確定申告後に通知がやってくる「予定納税」とは?

特に初めて確定申告をする(した)方にとっては聞き慣れない言葉かと思いますが、結論から申しますと、翌年の所得税の先払いの事で、「その年の所得税や復興特別所得税の一部をあらかじめ納める制度」のことを「予定納税」と言い、確定申告をした後に、翌年分の通知がやってきます。

つまり、まだ今年分の税額は決定していないけど、前年の税額を基準にして、来年も納めるであろう税金を一部先に納めてくださいね、というものです。

具体的な例で言いますと、令和3年分の予定納税基準額が15万円だった場合、令和4年の7月と11月に5万円ずつ先に納税します。

そして残りの税金は、1年分の税金を計算して先に納めた分(10万円)を差し引いた金額を令和5年の2月16日から3月15日の間に申告する際に納めるという流れになります。

予定納税をしなければならない人とは?

冒頭で全ての方が対象ではないと伝えさせていただきましたが、では、どのような方が対象になるのでしょうか。

それは、「予定納税基準額が15万円以上ある」方が対象です。

そう書くと「基準額って何?」と思われる方も多いかと思いますので次に説明いたしますが、線引が15万円となるとそこまで高い基準ではありませんので、対象になる方が多いと言えるでしょう。

予定納税基準額とは?

では、その予定納税基準額とは何かですが、単純に昨年確定申告で納めた税金の額がそのまま予定納税基準額になる方もおられます。

所得の内容や、所得の計算の際に適用を受けている控除、規定があるかどうかによって基準額が変わります。

国税庁のホームページでは以下のように記載されています。

予定納税基準額(特別農業所得者以外)は、次の(1)または(2)のようになります。

(1)次のいずれにも該当する人は、その人の前年分の申告納税額がそのまま予定納税基準額となります。

イ 前年分の所得金額のうちに、山林所得、退職所得等の分離課税の所得(分離課税の上場株式等の配当所得等を除きます。)および譲渡所得、一時所得、雑所得、平均課税を受けた臨時所得の金額(以下「除外所得の金額」といいます。)がないこと。

ロ 前年分の所得について外国税額控除の適用を受けていないこと。

ハ 前年分の所得税について災害減免法の規定の適用を受けていないこと。

(2)上記(1)に該当しない人は、前年分の課税総所得金額および分離課税の上場株式等に係る課税配当所得等の金額に係る所得税額(除外所得の金額がある場合には、除外所得の金額がなかったものとみなして計算した金額とします。また、災害減免法の規定の適用を受けている場合には、その適用がなかったものとして計算した金額とします。)から源泉徴収税額(除外所得の金額に係るものを除きます。)を控除して計算した金額および当該金額の復興特別所得税額の合計額が予定納税基準額となります。

上記(1)または(2)の予定納税基準額が15万円以上になる人は、予定納税が必要になります。予定納税額は、所轄の税務署長からその年の6月15日までに、書面で通知されます。

引用:国税庁「No.2040 予定納税」

例えば、事業所得以外にFXや暗号資産といった投資もされていて、雑所得がある場合、その雑所得を引いた額が基準額となります。

そのため、事業所得だけで前年の納税額が300万だった場合、その300万円が予定納税基準額になり、同じく前年の納税額が300万円でも、事業所得分としては10万円、雑所得分が290万円であれば対象にならないということです。

予定納税はどうやって納めるの?

予定納税は「予定納税基準額の3分の1の金額を、第1期分として7月1日から7月31日までに、第2期分として11月1日から11月30日までに納める」とされています。

つまり、先程の例の300万円が予定納税基準額の方であれば、第1期に100万円、第2期に100万円納めることになります。

予定納税がある事業者には、所轄の税務署長より6月15日までに書面で通知されるようになっていますが、そんな先払いすること自体ご存知無い方にとっては寝耳に水でしょう。

しかし、国税(国に納める税金)ですので、期限内に納めなければ延滞税がかかる事になりますのでご注意ください。

場合によっては、昨年より業績が悪化しているのに……、事業を廃業したのに……、その税金って払わないといけないの!? と思われる方も中にはおられるでしょう。

その場合には「減額申請」が可能です。

もし昨年よりも業績が悪化したときは?

ビジネスを行っていますと、業績の良いときも悪いときもあるものです。

業績だけでなく、災害などで損害を受けるということもあるかもしれませんし、諸事情で廃業されることもあるでしょう。

そんな時には「予定納税の減額申請」が可能です。

もし、その年の所得の見込額が予定納税基準額よりも少なくなる場合、「予定納税額の減額申請書」を提出し、承認されれば予定納税額は減額されます。

この申請書を出せば誰でも必ず減免されるということではありませんが、手続き対象者に該当するようであれば減額を申請する事が出来ますので、忘れず申請するようにしてください。

関連リンク>>>『国税庁 所得税及び復興特別所得税の予定納税額の減額申請手続』

減額申請はいつまでに申請するの?

業績が悪いなどの理由から、減額して欲しいと申請することが可能だという事はわかりましたが、実際にはいつ申請を行えば良いのでしょうか。

  • 第1期:7月1日~31日の間に納税分(※6月30日の現況で判断)…… 7月15日までに申請書を提出
  • 第2期:11月1日~31日の間に納税分(※10月31日の現況で判断) …… 11月15日までに申請書を提出

上記のようになっており、申請の判断をするのは納税直前の現況になりますのでご注意下さい。

そのため、短い期間の間に申請を行う必要がありますので、すでに今年は業績が厳しいと認識されている方は、提出の準備だけでも進めておかれるとスムーズかと思います。

予定納税で納めた分は確定申告でどうなる?

すでに収めた税金は先払いしているだけですので、確定申告の際に計算した納税額からすでに納めた税額を差し引いた残りを納めることになります。

つまり計算した結果、税額が300万円だった場合、予定納税で200万円納めているのであれば残りの100万円を確定申告時に納めれば良いということです。

結果的に納める税金は同じなのですが、年度中に事前に納めることが負担と思われるかどうかは、資金繰りなどご状況によるかと思いますが、該当される方はこのような納税方法になりますので、事前に準備しておきましょう。

資金に余裕があれば敢えて減額申請しないという方法も?

ここまでは業績が悪化するなどして予定納税を納めるのが厳しい方について書かせていただきましたが、業績は悪化しているけど、資金はそこまで苦労していないよという方も中にはおられるかもしれません。

ちなみにこの予定納税は、先に納めていた金額よりも実際の税額が少なくなった場合、申告すれば還付されますので損をすることはありません(但し自動的には還付されませんのでご注意下さい)。

そしてそのまま納めておけば、還付の際に還付加算金といって、金利を付けて返してくれるので、減額申請はせず、あえて先に支払っておいて、後で加算金と一緒に返してもらうほうがお得と言う方もおられます。

還付加算金はいくらになる?

還付金は税金を納めすぎた時に発生するものですので、その納めすぎた税金の金額によってもちろん変わってきますが、実際にはどのくらい付いてくるものなのでしょうか。

数字だけで見ると「1.0%」(令和3年分)ですので、そんな程度かと思われる方もいらっしゃるかもしれません。

ただ、銀行の定期預金の金利でも平均で0.003%程度(令和3年現在)ととても低い事を考えると、1.0%(令和3年分)はかなり高いという考え方もあるでしょう。

もちろんあくまでも資金繰りに余裕がなければ出来無いことですので、ご状況が許すようでしたら、このような方法もあることを知っておいても損はないかと思います。

まとめ

予定納税は国に納める税金(国税)ですので、基本的に待ってくれませんし、遅れれば延滞税がついて余計に税金を納めなければならなくなってしまいます。

しかし、業績が悪くなって厳しい場合には、予定納税の減額申請が可能ですので、提出期限などを確認し、申請し忘れなどの無いようにしてくださいね。

ちなみに昨今ですと、コロナウイルスで休業していた事業者の中には、毎日の売上よりも協力金の方が高いというケースもあると聞きます。

こういった協力金にも税金がかかりますので、予定納税のお知らせが届いても驚かないよう、事前に理解しておきましょう。

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