せどり転売

元々は古本屋で中古の書籍を買い、ヤフオクやAmazonのマーケットプレイス等で販売をして、その差額で稼いでいたせどりですが、最近では弊社のクライアントさんの中にも、CDやDVD、ゲームソフトの他、カメラや家電製品などを仕入れて転売する国内せどり、その中でも実店舗で仕入れるのではなく、オンラインを使った電脳せどり、

またここ数年は、中国のタオバオやアリババ、欧米のAmazonやeBayから仕入れて売る輸入転売ビジネスなど、その方法も多岐にわたっています。

毎月、東京と大阪で行わせていただいている無料相談会やメールでのお問い合わせでも、それらの税金についてご相談を受けるのですが、特に多いのが

「何が経費として認められるでしょう?」

という質問です。

実際、経費について間違った申告をして後から税務署に指摘をされ、ペナルティーを支払わされるケースもありますが、事前にポイントを知っておくことで、それらを回避したり、節税にも繋がることですので、今回はせどりや転売ビジネスの経費について解説していきましょう。

 

せどりや転売の確定申告が必要な人と不要な人?

一口にせどりと言っても先ほどお話した通り、最近では様々な形態がありますので、国内せどりと言ったり、はたまた輸出入転売ビジネスと言ったり、それらをひっくるめて物販と言ったり、その定義は様々ですが、要は商品を仕入れて、そこに利益を乗せて販売するビジネスだと言えるでしょう。

その販売チャネルとして多いのが、Amazonだったりヤフオクだったり、最近ではメルカリ等のフリマアプリを使用されている方もおられますけれども、まずはそれらで得た利益を、申告する必要があるのかどうかを知る必要があるでしょう。

不要品を処分しただけでも税金はかかるの?

まず結論から申しますと、日本に居住している個人においては、その全ての所得に対して「所得税」という税金がかかってきます。なので一定以上の所得を得れば、確定申告をする必要があります。

ただし、これもよく聞かれることなのですが、

「不要品を処分しただけでも税金はかかるんですか?」

という質問です。これについては実は法律があり、

(譲渡所得について非課税とされる生活用動産の範囲) 第二十五条 所得税法第九条第一項第九号(非課税所得)に規定する政令で定める資産は、生活に通常必要な動産のうち、次に掲げるもの(一個又は一組の価額が三十万円を超えるものに限る。)以外のものとする。 貴石、半貴石、貴金属、真珠及びこれらの製品、べつこう製品、さんご製品、こはく製品、ぞうげ製品並びに七宝製品 書画、こつとう及び美術工芸品 (所得税法施行令第25条より)

と、所得税法に記載がありまして、要するに、生活するのに必要なものを自らのために購入し、それが不要になった場合、中古品として出品や販売をした場合、それは非課税となりますが、

  1. 元々、利益を得るために仕入れて販売をした場合
  2. 個人で所有する範囲を超えた数を大量販売した場合

これらについては営利行為とみなされ、確定申告が必要になります。

また、例え不要品であったとしても、1個(もしくは一組)が30万円を超える貴金属や美術品を販売した場合は税金がかかることがあるということです。

要するに、一つや二つ、明らかな不要品を中古として販売するだけであれば、特に問題はないのですが、同じものを100ヶだとか、新品の商品を大量にといった場合は、税務調査などで指摘を受ける可能性も考えられるというわけです。

そういった場合、ちゃんと納得させられるかどうかが税理士の腕の見せ所で、これは税理士試験に出る部分ではありませんので、過去の実績や体験等から、いかに研究を重ねてスキルを磨いているかで、税理士であっても、全く結果が変わってくる部分だったりします。

特にネットビジネスの税務調査については、一般のそれとは違いますので、そのポイントや個人で出来る対策法については、以下の記事をご参照下さい。

関連記事>>>『せどりやアフィリエイトなどIT関係の税務調査の全貌を税理士が解説』

営利目的でも確定申告が不要な場合とは?

通常、せどりや転売ビジネスの場合は、元々営利目的で仕入れをされているかと思いますので、上記の基準においては確定申告が必要になってくるわけですが、その他に、営利目的であっても申告が必要ない場合があります。

これらについては、個々により条件が変わってきますので、詳しくは以下の関連記事をご覧の上、ご自身が当てはまられる条件を照らし合わせてみましょう。

関連記事>>>『間違ってない?ヤフオクの経費を正しく計上して節税する5つの方法』

税金は利益や収入にかかるのではない?

さて、ここまでせどりや転売などの物販ビジネスで、申告が必要になる方の条件について見てきましたが、ここでももう一つ、非常に基本的なことを知っておく必要があります。

これも無料相談会でお話を伺っていると感じることなのですが、税金が、利益や収入にかかると思われている(ごっちゃになっている?)方が結構おられるということです。

基本的なことですので、ご存知の方は飛ばしていただいて構わないのですが、そもそも税金というのは、利益や収入にかかってくるものではなく、所得に対してかかるものです。

簡単に説明しますと、

総収入金額 − 必要経費 = 事業所得の金額

という式になります。つまり、せどりや物販で得た利益から、必要経費を差し引いた「所得」の部分に税金がかかってくることから、冒頭の「何が経費として認められますか?」という質問が出てくるわけです。

非常に初歩的なことですが、これらが理解できていないと、確定申告はおろか、税務署から指摘をされた時にも間違えてしまう恐れがありますので、まずはしっかりと理解しておくようにしましょう。

せどりや転売などの物販ビジネスの必要経費とは?

では、せどりや転売ビジネスなどでは、どんなものが必要経費として認められるかについてですが、結論から申しますと、税法には「○○と××が経費として認められます」と、具体的に書かれているわけではありません。

所得税法第37条第一項によると

総収入金額に係る売上原価その他当該総収入金額を得るため直接に要した費用の額及びその年における販売費、一般管理費その他これらの所得を生ずべき業務について生じた費用 (所得税法第37条第1項より一部抜粋)

とあります。つまり分かりやすく書くと、今回の経費というのは

「せどりや転売を行う上で、直接関連のある費用については経費として認められます」

ということです。

非常に曖昧な表現ですが、この直接関連のあるというところが非常にポイントで、中には色々と理由をこじつけて経費にしようとされる方も多く、例えば

  • 整骨院の費用(仕事で疲れた体のメンテナンス代として……)
  • 明らかに仕事と関係のない飲食費
  • 事業とは関係のない車代やガソリン代

など、挙げ出すと切りがありませんが、これらはもちろん必要経費と考えるには無理があると思いますので、計上する際の判断ポイントとしては

  • 事業への関連性
  • 事業に対する必要性

この二つについて、事業主の主観ではなく、社会通念上、客観的に考えてどうかを考えることがポイントです。

ここにズレが出てくると、税務署は指摘してきますので慎重に判断しましょう。

経費として考えられるものとは?

では、せどりや転売等の物販で、一般的に経費として考えられるものを挙げていきましょう。

  1. 販売手数料
  2. 振込手数料
  3. 商品買い付けの際の交通費
  4. 資材梱包費
  5. 送料
  6. 関連の書籍代やセミナーなどの参加費
  7. パソコンやスマホなどの通信費
  8. 電気代などの光熱費
  9. 車やバイクなどのガソリン代
  10. 商品の仕入れ代

この辺りが考えられるでしょう。

ただし、ここで気を付けなければならないのが、1〜6までは、直接ビジネスに関連しているものであれば、全額を経費として計上できるケースが多いのですが、7〜9については、日常生活でも使えるものですので、実際にビジネスで使った費用を計算して、その分だけを按分して計上する必要があります(それを怠ると、ほぼ指摘を受けるといって良いでしょう)。

また、10の仕入れ代についても間違え易い部分がありますので、次で解説いたします。

仕入れの原価を経費とする場合の注意点とは?

せどりや転売物販で販売する、商品を仕入れた際の代金については「仕入高」となり、必要経費として計上できます。

ただ、よく間違えて指摘を受けてしまう方のケースとしては、確定申告のときに、1月1日〜12月31日の間に仕入れた全ての購入代金を経費として計上するのは間違いです。

その年の確定申告で差し引けるのは、その年に売れた商品に対する仕入れ代金のみになりますので、例えば100ヶ仕入れた内の60ヶしか売れず、40ヶが売れ残ってしまった場合は、売れた60ヶ分は経費として計上できますが、残りの40ヶに関しては、棚卸しをして計上しないようにする必要があります。

そこで全ての仕入れ代金を入れてしまうと間違いとなり、事実、ここは税務署が非常に多く指摘してくる部分でもありますので、必ず間違えないようにしましょう。

法人の場合の経費は?

ここまで、個人事業としてのせどりや転売ビジネスの経費について解説してきましたが、法人の場合は「法人税」になり、少し内容が異なります。

法人税法第22条3項には

内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上当該事業年度の損金の額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、次に掲げる額とする。 一 当該事業年度の収益に係る売上原価、完成工事原価その他これらに準ずる原価の額 二 前号に掲げるもののほか、当該事業年度の販売費、一般管理費、その他の費用(償却費以外の費用で当該事業年度終了の日までに債務の確定しないものを除く。)の額 三 当該事業年度の損失の額で資本等取引以外の取引に係るもの (法人税法第22条3項より一部抜粋)

とあり、「経費」の意味合いも違ってきます。

例えば家賃について、個人で自宅を仕事場として使われている場合、例え按分して計上していたとしても、きちとした対策が出来ていない場合、それは経費として認められないという判決が出ています。

ただ、法人の事業所として別途借りていた場合、それは関係ありませんし、そもそも法人というのはビジネスを行うためのもので、個人とは別人格になりますので、社用車を購入した場合でも、経費として認められる他、税理士のスキルによっては、個人と比べて非常に節税の方法が増えてきます。

その他、家賃を経費として計上する際のポイントや開業前の費用について、また法人化をして更に効果的な節税をする方法については、以下の記事をご参照下さい。

関連記事>>>『ネットビジネスで計上できる必要経費と注意点を税理士が解説!』

せどりの経費の対策法とついてまとめ

今回は主に個人でせどりや転売ビジネスなどの物販をされている方の経費について解説してきましたが、過去に何度もネットビジネスの申告代行や税務調査に立ち合わせていただいた経験から申しますと、経費というのは非常に税務署から指摘されやすい部分です。

その際に、どれだけお客様の資産をお守りできるのかも、それぞれの税理士のスキルの差になってくるわけですが、ご自身で対応される方の為に基本的なことをお伝えしますと、指摘や税務調査が入ってから何かをしようとしても、出来ることは限られてきますので、重要なのは日頃の記帳や税務処理の段階で、対策をしておくことがとても重要になってきます。

そのためには、指摘された時に説得するための「根拠資料」を準備しておく必要があるわけですが、例えば

  • せどりや物販に使った送料や梱包費などの領収書は確実に保管しておき、また書籍やセミナー費用など、それだけでは内容が分からないものについては、実際の書籍の現物や、セミナー内容が記載されたテキストなどを保管しておくこと。
  • 通信費や光熱費など、全額ではなくビジネスに使った割合を換算する場合は、「使用頻度」、「使用距離(ガソリン代など)」、「使用時間」などの基準を用いて、客観的な数字を元に計算をすること。
  • 銀行口座やクレジットカードなどは、事業用と生活用とを分けて使うこと。

などを日頃から行っておくだけでも、いざという時には効果的でしょう。

また、販売チャネルとしてAmazonのFBAなどを利用されている方は、他にも注意すべき点がありますのでこちらもあわせてご確認下さい。

関連記事>>>『税理士でも知らない?Amazonの消費税の落とし穴と対処法とは?』

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